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1-1 黒楽鉢1 | 1-2 黒楽鉢2 | 1-3 金縁縄目 | 1-4 錦鉢 | 1-5 錦鉢 |
1−1は一般的に使用されている黒楽鉢です。
黒色の物が大部分ですが、白く塗られた物、絵付けがされたもの、部分的に生地の出たもの等、様々です。
メーカーも多く、出来具合も色々で、中には粗悪品もあります。
高級品ほど鉢穴が大きく、肉が薄く、見た目も良く、生育も良さそうですが、壊れやすいので注意します。
1−2も黒楽鉢ですが、足の構造が簡略化され、若干、値段が安いです。
1−3は縁と足に金色の塗装がされ、縁に縄目の模様がつけられて、やや高価です。
1−4、1−5は有名な絵付師が絵付けをしたものです。
高価で育成用には使えません。
2-1 陶器の鉢1 | 2-2 陶器の鉢2 | 2-3 陶器の鉢3 | 2-4 焼締鉢 | 2-5 磁器鉢 |
陶器の富貴蘭は、それほど使用されていませんが、焼き方や釉薬の種類も様々で、個性的なものが作れます。
保水性が良い物が多く、乾燥気味の棚で使用した方が良いです。
2−1は海鼠釉の普及品です。
2−2は薄桃色の釉薬の掛かったものです。
2−3は三島象嵌の高級品で、価格的に育成用には不向きです。
2−4は薄手の焼締鉢です。
やや吸水性があり、黒楽鉢と同じ感覚で使用しています。
2−5は磁器の鉢で薄くて吸水性はありません。
3-1 透彫1 | 3-2 透彫2 | 3-3 透彫3 | 3-4 透彫4 | 3-5 透彫5 |
通気性を好む富貴蘭にとって透かし彫りの鉢は好都合です。
しかし、安価で育成に適したものは少なく、出来の良い物は高価な観賞用です。
3−1は安価ですが、肉厚で重く、鉢掛けに良く収まらず、使い勝手が悪いです。
3−2は外国産という話ですが、見た目、使い勝手、値段が中途半端です。
3−3、3−4、3−5は薄手で、見た目も生育的にも良いのですが、高価格のため観賞用です。
3−5は特に薄く、透かしの面積も大きく弱そうです。
4-1 素焼鉢1 | 4-2 素焼鉢2 | 4-3 素焼鉢3 | 4-4 素焼鉢4 |
素焼き鉢は見た目が悪く、観賞用にはなりませんが、育成用には好結果が得られます。
4−1は一般的な3号の素焼鉢です。
そのまま水苔を詰めて植えてもよいのですが、根の形を作るために、空洞植にしています。
素焼鉢は水が多すぎると、表面に緑藻が発生し、ぬるぬるして、乾きが悪くなります。
4−2は3号の胴抜き素焼鉢で、根の伸びない品種に多用しています。
4−2使用例(品種は湖東の剣)
値段が普通の素焼鉢の3倍強で、やや高価です。
4−3は一部の専門店などが育成用に使用している背の高いものです。
根が長く伸びる富貴蘭には向いているのかもしれません。
4−4は楽鉢の形をした素焼鉢です。
肉厚で、素焼きの割には乾きが遅いです。
5-1 プラ鉢1 | 5-2 プラ鉢2 | 5-3 金属製の鉢 | 5-4 樹脂成形鉢 |
以前、プラ鉢は楽鉢に比べ生育が悪いと思われ、あまり使用されませんでした。
生育に特に支障の無いことが判り、最近は多用されています。
5−1は短冊状の切れ込みのあるもので、よく乾きます。
5−2は切れ込みは無いですが、鉢穴は大きいです。
水を多めにやる人は5−1を、乾かし気味の人は5−2を使えば良いと思います。
5−3は金属の針金に塗装したもので、究極の鉢です。
これは、蘭の展示即売会の会場で求めたもので、浜松の人が製作して使っているとのことでした。
5−4は砂粒を樹脂で固めたような構造の鉢で、富貴蘭の鉢の形をしたものもあります。
通気性がありますが、屋外で使用すると紫外線で樹脂が風化してボロボロになります。
サイズ変換 | 使用例 | 素焼鉢で代用 | 鉢掛けの固定 |
サイズ変換
鉢掛けにサイズの小さい鉢を入れると落下してしまいます。
そこで、サイズを小さくするアダプタを作成します。
材料は3mmのアルミ線で、盆栽用の針金として市販されています。
それに固定の為の細いアルミ線を少々容易して、写真のようなものを作成します。
使用例
3.5号の鉢掛けに2.5号の素焼き鉢をのせたものです。
素焼き鉢で代用
鉢の余っている人は大きめの鉢に入れて使用する事も出来ます。
写真は素焼き鉢ですがプラ鉢でも構いません。
鉢掛けの固定
写真のような円形の鉢掛けを吊して使うときは、風で揺れないように下から針金で引っ張っておきます。
鉢は色々な種類があり、用途、目的に合ったものを使えば良いと思います。
それぞれ、長所、短所があり、これでなければならないということは、ありません。
素焼き鉢の長所は安くて、乾きやすいというところにあります。
欠点は、見た目が悪く、汚れやすいところにあります。
使っていると表面に緑色の藻が生えてきますが、植え替えのとき綺麗にするのは結構、大変です。
洋蘭農家等、大量に素焼き鉢を使用する所では、釜で焼き直すという話を聞きました。
こうすれば、付着した藻がとれて綺麗になるようですが、一般家庭では出来ません。
それに、無制限に焼き直せる訳ではなく、3回程度焼き直すとボロボロになると聞きました。
プラ鉢は安くて軽くて、落としても割れないところが長所です。
洗うのも非常に楽です。
欠点は見た目が悪いことです。
また、構造により、乾きやすい、乾きにくいが極端になりやすいと思います。
例えば、短冊形に側面に切り欠きのある鉢は乾き易く、水を控える冬に乾きすぎる恐れがあります。
側面に穴や切り欠きのない構造のものは、水を保ちやすく、過湿になる恐れがあります。
要は管理次第といえます。
楽鉢は見た目も良く、適度に保水性があるので、一番使い易いと思います。
植え替えの時も、鉢底に根先を納めやすく、作業が楽になります。
ただ、値段が素焼き鉢や、プラ鉢に比べて高価であるため、富貴蘭自体の値段が下がった事もあり、需要が落ちている
ようです。
また、壊れやすいので、鉢掛けは必須となります
高級品と粗悪品が存在し、蘭の専門店で扱っているのは高級品ですが、一般園芸店では粗悪品が多いようです。
粗悪品は、肉厚で重く、底穴が小さく、見た目も、いかにも型押しといった感じで良くありません。
高級品は肉が薄く鉢穴も大きく、見た目も品がありますが、壊れやすいので丁寧に扱う必要があります。
ただし、一旦、植えてしまえば、蘭自体、丁寧に扱うので、それほど問題はありません。
空鉢の保管や収納の時には要注意です。
楽鉢は、現在、安いプラ鉢に押されて元気がありません。
有名なメーカーが製造を止めたという話も聞きます。
しかし、気に入った株は、プラ鉢ではなく、楽鉢に植えたくなります。
楽鉢が無くなってしまわないよう、皆さんも愛用してみてください。
富貴蘭は、ずっと水苔で植えてきたのですが水苔の値段が高騰したので一部を軽石砂で植えるようになりました。
富貴蘭を植える水苔は茎の長い選別された物を使うので町の園芸店で売られている水苔より、ずっと高価になります。
全部を砂植にするつもりは無く鑑賞価値の高い株は今まで通り水苔で植えていました。
ここ何年かは全体の半分強を砂植にしていました。
ところが今年(2022年)は水苔が入手出来ないというトラブルが発生しました。
私は高級水苔を富貴蘭の専門店から購入していましたが今年は入荷の目処が立たないとのことです。
ネット通販で探しても全てのサイトで売り切れになっています。
一般園芸用の安い水苔は町の園芸店でも通販でも入手できるのですが富貴蘭に使う4A、5Aクラスの水苔は有りません。
私が育てている水苔植の鉢は400鉢程度ですが既に250鉢程度は砂植になっていました。
残りの150鉢は今年も水苔で植える予定で、3Kgの袋詰め水苔を購入するつもりでした。
砂植では調子の悪い品種もあるので去年の残りの水苔で、やっと60鉢を植える事ができましたが残りは砂植になりました。
空洞植え用の楽鉢は砂植には使えないので鉢の確保には苦労しました。
私の棚は殆どが3.5号の鉢掛けを設置してあるので、そこに置ける形状でなければなりません。
富貴蘭の砂植用の鉢は存在しないので他の目的で製作されたものを流用しなければなりません。
砂植に関してはトップ>その他の植え方 を参照してください。
陶器鉢 | 欅鉢 | 焼締鉢1 | 焼締鉢2 | 万年青鉢 |
写真の陶器鉢は安物で見栄えはしないですが育成用には気楽に使えます。
有名作家の「欅鉢」は見栄えがしますが高価です。
焼締鉢1は桜草用?として広く出回っています。
焼締鉢2は用途不明ですが焼締鉢に釉薬が少し掛かったような感じです。
万年青鉢は3.5号の楽鉢で小型の羅紗万年青用だと思います。
楽鉢1 | 楽鉢2 | プラ鉢 | 素焼鉢 | 駄温鉢 |
楽鉢1は何の用途か知りませんが鉢掛けに鍔まで入ります。(3号又は3.5号)
楽鉢2も何の用途か判りませが大柄で3.5号の鉢掛けに半分ほど入ります。
プラ鉢は入手が容易で3号から3.5号程度のものが使えますが横に通気穴のあるものは根先が出ると面倒です。
素焼き鉢は3.5号の物を使います。
駄温鉢は3号から3.5号のものを使い乾きやすい場所に置きます。