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いろいろな問題
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植物栽培は思うようにはいきません。
だからこそ面白いとも言えます。
多くの場合、運まかせ、植物まかせとなります。
また、いろいろなトラブルも発生します。
派手になる
植物にはフウランの様に生長点が無限に伸びるものと春蘭のように新子によって更新されるものがあります。
フウランの場合、親は枯れなければ無限に伸び続けますが子芽も出します。
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雄姿城錦 | 雄姿城錦 |
上の写真は多肉植物で一般的には「五重塔」と呼ばれています。
1枚目は2006年にUPしたもので2枚目は2015年6月に撮影した同じ株です。
子を取り除いて植え直したものです。
櫛目の最上柄でしたが途中で急に派手になっています。
20年位、栽培していますが、子は青か派手なものばかりでした。
1本だけ上柄の子がでましたが手放してしまい、後悔しています。
現在も生長してはいますが、下葉の紺の乗った葉が全て落ちた後どうなるかが問題です。
根の出は悪くなりました。
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幽谷錦 | 幽谷錦 |
上の写真は20年位栽培している幽谷錦です。
購入時は細かい縞の入った上柄の個体で、非常に高価でした。
最初の写真は2009年に「富貴蘭」>「斑入り」の頁にUPした写真ですが、下葉を見れば上柄であることが判ります。
この時点で購入してから15年位経過しています。
その後、急速に派手になり、天葉は主脈に僅かに紺が残るだけになりました。
2枚目の写真は現在(2015年)のものです。
全て派手な葉になってしまいましたが何とか生きています。
購入してから1本も子を出していません。
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幽谷錦 |
この幽谷錦は最初の個体とは別の株で入手先も違います。
やはり上柄の株を入手したのですが、同じように派手になりました。
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高千穂の縞 |
この高千穂の縞ですが親は上柄でしたが源平柄に変化し、源平柄も派手になってきているので、そのうち幽霊になってしまう
可能性があります。
子は最初から派手でしたが天葉は完全に幽霊になってしまいました。
そのうち枯れてしまう運命にあります。
この親子の可能性は殆ど残っていないと思います。
親が生きている間に良い子が生まれるかどうかが残された希望です。
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御簾影 |
まだ富貴蘭が高い頃、最上柄の御簾影を5万円で購入しました。
その後、作落ちし、柄も悪くなりました。
下の葉には紺縞が残っていますが天葉は完全に幽霊になりました。
御簾影は斑の部分にも葉緑素を含んでいるので幽霊になっても生長します。
ただし、鑑賞価値は大きく下がり、「御簾影」の名前は通用しなくなります。
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真鶴 | 銀鶴 |
写真の真鶴は嫦娥(じょうが)が派手になったものです。
嫦娥は何が本物かハッキリしないのですが、私の購入したものは西出都が派手目の三光中斑になったようなものでした。
かなり昔ですが、西出都の3倍ほどの値段でした。
10年位、子も出さず現状維持でした。
その後、急に派手になり、真鶴になってしまいました。
真鶴は少しずつ派手さが増し、最終的には枯れる場合が多いと思いますが、派手な真鶴でも子は最初の内、紺の乗った葉を
出すので、子が沢山出れば殖えていきます。
系統の良い真鶴は親自体も継続するようです。
銀世界から出た真鶴を銀鶴と呼ぶようです。
写真の銀鶴は私が栽培している銀世界から出たものです。
葉姿に銀世界の特徴が出ています。
銀鶴の子は青に見えますが、よく見ると三光中斑ですので銀世界か西出都になると思われます。
派手な子
今までは親株自体が派手になった例を紹介しましたが、こんどは子が派手に出た例です。
派手の最たるものは幽霊柄ですが、覆輪からは良く出ます。
縞からも幽霊柄は出ますが、最初から幽霊の場合は少なく、最初は僅かに紺地が残っていて、その後、幽霊になる場合が多い
ようです。
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オンシジューム | オンシジューム |
写真はギャラリーで紹介したオンシジュームです。
ハワイの日系人が交配した「アロハイワナガ」という品種の斑入り個体です。
蹴込みの入った覆輪ですので幽霊が出る可能性があります。
1枚目の写真の株は左から親の親、親、子です。
親の時点で紺地が薄く砂子斑状になっていたので心配したのですが、案の定、子は幽霊になりました。
そのまま放置してはいけません。
幽霊の子は、やがて枯れますが、その後、親、親の親の順序で枯れる可能性があります。
まず、幽霊の子は除去します。
次に、親と親の親のバルブの連結部分を清潔な鋏で切断します。
別々に植え直す必要はありません。
2枚目の写真は1年後の様子です。
親の親株からは上柄の芽が出ています。
「芋吹き」とか「バルブ吹かし」とか呼ばれる方法です。
場合によっては親バルブからも新芽が出ますが、今回は親バルブは新芽を出す力が残っていないようです。
結果論ですが、親バルブが新芽で出た時に除去しておけば1年早く上柄の子が得られていた可能性があります。
バルブ吹かしは新子が地味になったときも有効です。
春蘭の中押し縞のように中斑系統の個体からは青や青に近い子が出ますが、バルブ吹かしで良い柄が復活する
場合があります。
ただ、地味な子を残したい場合は1年以上放置して子が固まってから親バルブとの連結を切り離します。
親株、子株の両方から新芽が得られます。
ただし、バルブ吹かしは100%成功する訳ではありませんし、蘭の種類や状況により、若干、方法に違いがあります。
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富士覆輪 |
富貴蘭でも覆輪からは幽霊が出ます。
ただ、富貴蘭の場合、徐々に紺が乗ってくる場合があるので、2〜3年は親に付けておきます。
それでも紺が乗ってこなければ除去します。
斑の部分に葉緑素を含む品種は幽霊でも育つ場合があります。
写真の富士覆輪の子は紺が乗って育つ可能性は低いと思います。
出芽から紺の乗っている性の良い個体もありますが、それでも紺が太く、柄が良くなるには数年かかります。
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新月殿 |
羆覆輪から出た幽霊の子は新月殿と呼ばれます。
幽霊地でも葉緑素を含んでいるので育てる事が出来ます。
ルビー根が綺麗です。
玉錦から玉鶴が出ました。
覆輪からは覆輪の子か幽霊が出るはずですが何故、紺覆輪中透けの玉鶴が出るのでしょうか?
実は玉錦は覆輪ではなく三光中斑だと言われています。
西出都、銀世界、御城覆輪等も同じです。
従って、これらの品種は紺覆輪の子を生むことがあります。
それに対し、富貴殿や満月は覆輪であると言われています。
昔からの慣例で玉錦は覆輪に分類されていますが、それはそれで良いと思います。
覆輪と言われて実は三光中斑の品種は他にもあると思います。
紺覆輪の子は外周の紺の層が厚い品種しか生き残れません。
紺覆輪中透け品種として認識されているのは舞鶴、玉鶴、銀鶴等の西出系統以外は稀です。
(斑に葉緑素を含み幽霊でも生育する品種を除きます。)
御城覆輪から出る「四海波」という品種も名前は知られていますが実物を見た事がありません。
最初の玉鶴ですが3枚目の葉が派手になっているので難しいところです。
ただし、一旦、派手になっても次に紺の乗った葉を出すこともあるので、もう少し様子を見ます。
2番目の玉鶴(左側の子)は全く見込みが無いので植え替え時に除去します。
銀鶴は3枚目、4枚目の葉が出ないと何とも言えませんが、可能性はあります。
水晶覆輪の子は紺覆輪で出て右側の葉が紺の中通しになりました。
その後、左右とも派手になり、幽霊となったので可能性はありません。
水晶覆輪も三光中斑と思われます。
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出雲錦 | 白楽天 |
派手な子は当然ながら縞からも出ます。
出雲錦から幽霊に近い子が2本出ました。
天葉では完全に幽霊になりました。
これは植え替えの時、除去するつもりです。
紀州白皇から派手な子がでました。
白楽天と呼ぶそうです。
幽霊地合の中に僅かに紺の散り斑が乗り、管理が良ければ育つ可能性がありますが、徐々に小さくなりました。
地味になる
「暗む」と「地味になる」とは意味が異なり、「暗む」は天葉の斑が時間の経過で消えていきますが斑自体は継続し、出芽時には
常に斑が明確に有ります。
「地味になる」は斑自体が年々小さく(又は薄く)なり、消えていくこと言います。
地味になるので有名な品種に「八重衣」があります。
八重衣は地味になるのが早く、3〜4年で斑が目立たなくなりますが子吹きが良く、しかも新子は派手に出ることが多いので
品種を維持するのは楽です。
慶賀も地味になり易い品種です。
地味になるスピードは八重衣より遅いのですが子吹きが悪く、必ず良い子が出るとは限らないので上柄の慶賀は貴重品です。
派手目の上柄は10年15年くらいは状態を維持しますが、地味な個体は短期間で青に向かいます。
購入するときは出来るだけ上柄を購入する事がポイントです。
3鉢の慶賀の写真を掲載してみました。
1枚目2枚目の慶賀の下葉は上柄ですが上に行くほど地味になっています。
3枚目の慶賀は下葉も地味で天葉は青になっています。
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幽谷錦 | 幽谷錦 |
先に派手になった幽谷錦を紹介しましたが、今度は青になった幽谷錦を見てみます。
この幽谷錦も最初は上柄でしたが次第に源平柄になり、天葉の所では完全に青になっています。
子供に柄が見えるので、こちらに期待します。
私は多くの富貴蘭を1990年頃〜2000年頃に購入しました。
この頃、富貴蘭は高価だったので大概、1品種1鉢です。
ただ、幽谷錦、雲龍瀧、慶賀は何鉢も購入しました。
これらの品種が気に入っていたことと品種を維持するのに不安があった為だと思います。
しかしながら雲龍瀧に関しては地味な柄しか手に入りませんでした。
尚、富貴蘭が安くなった現在は購買意欲が薄れ、殆ど買っていません。
最初の写真ですが、購入した地味柄の雲龍瀧が、さらに地味になったものです。
親の下葉の方には僅かに斑があるのですが、天葉近くは完全な青です。
2枚目の写真は既に青になって石灯籠の屋根に着生させられた雲龍瀧です。
忘れないように名札が付いていますが、野生のフウランとして楽しませてくれます。
高価なフウランでした。
3枚目は島錦の縄張りです。
木に付けて5年以上経過していますが、斑入りは1本も復活していません。
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奄美錦 |
奄美錦は、かなり前に専門店で購入した青軸紺縞の奄美フウランです。
ラベルには奄美錦上柄と書いてあり、斑は鮮明でした。
そのうち斑のコントラストが低くなり、不鮮明になりました。
現在は完全に無地ですが、青になったのか幽霊になったのかも判りません。
地味な子
中斑の株からは青の子が生まれる可能性があります。
派手な紺覆輪、中透けでは殆どの場合、同じ紺覆輪、中透けになり、青の子が生まれるのは稀です。
紺覆輪、中透けからは覆輪や幽霊は生まれないはずですが、葉の外側の層が狭いフウランでは紺覆輪が幽霊に見える場合が
あります。
また、芸が完全に固定していない中斑、中透け、紺覆輪からは縞の子が生まれる場合があります。
1枚目の写真はナギランの中透けです。
2枚目はナギランの中透けから生まれた青です。
このナギランは中透けの株は花を付けませんでした。
青になれば花を見れると思い残しました。
ナギランは一般的には貧弱な花を咲かせますが、稀に整形花や赤花を咲かせます。
3枚目は羆の光、4枚目は紺覆輪の羆の光から生まれた青です。
羆の光は急激に派手になったり、派手な木が青や青に近い葉を出したりします。
写真は残っていませんが、真鶴が青の子を出したのを見ています。
記念に?残しておくべきでした。
縞からは頻繁に柄抜け、青が出ます。
特に地味な縞から出る子は殆ど青です。
最初の写真は、またまた幽谷錦です。
幽谷錦は何鉢か買いましたが、あまり子が出ず、やっと出た子が青でした。
次の写真の出雲金斑ですが出雲錦の柄抜けの寄せ植えです。
出雲錦は斑が白のものと鈍い黄色の物と2種類買った記憶がありますが、どちらのものか覚えていません。
葉縁に白の乗り斑がでます。
貴公子は10年以上前に購入した小型細葉の縞です。
6年位前に「ギャラリー1」→「斑入り」の頁にアップした写真は全部の株に斑が入った株立ちでした。
その後、縞のある株は潰れ、出る子は青で、柄抜けの株立ちになってしまいました。
中央左側の潰れかかった3枚葉の株が最後の斑入り(源平)です。
仁摩錦はコントラストの高い白縞の株を購入しました。
ところが、この品種は芯止まりになり易く、程なく潰れて子が出ました。
星光殿が細く小さい葉を出して潰れるのに似ています。
出た子は紺縞で葉幅があり全く別種のようでした。
この後、この子も潰れ、次に出た子は青でした。
この青を作り続けたところ、最近になって左側の木の天葉の縁に地味な斑が見えます。
天葉が腐る
富貴蘭の天葉が腐り、引っ張ると抜けてしまうことがあります。
私の棚では1年に2株程度だと思います。
私は富貴蘭を350〜400鉢程度栽培しています。
中には株立ちもあるので1000株は有ると思います。
1000株のうち2株ですので、それ程大きな確率ではありません。
発見されるのは春に天葉が伸び始める時期が多いと思います。
多くの場合、秋に天葉が少し顔を出した状態で休眠に入った株が翌年の成長期に入ったタイミングで腐ります。
管理面で問題ががあるのかもしれませんがサンプルが少なく原因は判っていません。
葉の基部が残る場合
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東天紅 | 実生豆葉 |
最初の東天紅の写真ですが、5枚目の葉が切れているのが判ります。
3年程前、天葉が腐って抜けました。
その時は水苔植えでしたが、天葉の無い株を空洞植にするのも面白く無いので砂植えにして棚下に置きました。
その後、生長するに従い、腐った天葉の基部が出てきました。
基部が生きているので次の葉も問題なく出ました。
ただし、完全に回復するには4年〜5年を必要とします。
次の写真は実生の豆葉で最初から砂植えでした。
天葉が腐ったのは今年の春でした。
現在は6月下旬ですので生長により天葉の基部が出てきました。
以上のように天葉が腐って抜けてしまっても葉の基部は残っているというパターンが私の所では一番多いです。
葉が1枚失われる場合
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緑仙晃 | 黄金虫 |
緑仙晃は渋い紺縞の品種で購入した当時は高価でした。
よく見ると左側の葉が少なくなっています。
さらによく見ると4枚目の葉の枯れた跡が見えます。
これも4枚目の葉が天葉の位置だった時に腐って抜けてしまった物です。
鑑賞には堪えないので砂植えにして棚の下に置いた物です。
後の葉は通常通り出ていますが完全に回復するのは、まだ少し掛かります。
黄金虫は小型である為に天葉が飛んでしまったことに気が付きませんでしたが、よく見ると3枚目の葉が枯れているのが
判ります。
ショックが大きかった為か、その後の2枚の葉が小さくなってしまいました。
このまま凝って芯が止まってしまう可能性もありますが、とりあえず元気な根が伸びてきました。
芯止まり
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雅宝殿 |
さらに重症になると芯が止まります。
例は少なく、写真が撮影出来ないので以前の写真の使い回しです。
芯が止まると大抵、子が出ますが柄の良い子が出るとは限りません。
幽霊の子が出て枯れてしまうことも考えられます。
このように突然の障害で芯が止まる事は多くはありませんが、日常的に芯止まりになる品種もあります。
日常的に芯が止まる品種
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鍾馗 |
青軸朝鮮鉄のように花が咲くと必ず芯止まりになる品種が有ります。
この時、2〜3の子芽を出すので全体としては殖えていきます。
獅子葉、熨斗葉のように葉が不規則に変形する品種も芯止まりになりやすいです。
写真の鍾馗は熨斗葉と筒葉を出しますが、筒葉が完璧に決まると天葉が伸びられず、芯止まりになります。
親木は長持ちしませんが子吹きは良いので、そこそこ殖えます。
さらに恐ろしい障害
富貴蘭には、さらに恐ろしい障害があります。
まず親が葉を落としたり、芯止まりになったりして枯れます。
通常は子や兄弟株には影響しませんが、この場合は子や兄弟も萎縮して枯れてしまいます。
1鉢全体に影響が及びます。
何年か前に数回、経験していますが、幸い最近は起こっていません。
専門店に訪ねたところ、この障害(病気?)を認識していましたが原因は判らないとのことでした。
15年位前になりますが黒燿の株立ちを枯らしました。
前年に子供を1本分けて別の鉢に植えていましたが、そちらは無事で現在も残っています。
これ以外にも2〜3の品種で経験しています。
この件に関して日本富貴蘭会のホームページのQ&Aコーナーに質問しましたが回答はありませんでした。
ついに再発する(2年後に追記)
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金幽晃 |
この記事を書いてから2年後、恐ろしい障害が再発生しました。
最初の記事を書いた時点で何年か発生していなかったので久々です。
品種は金幽晃です。
黒楽鉢に水苔植えの半年前は元気な2本立ちの株でした。
日弱に作っていたので葉は緑色でした。
4月頃、親木の葉が少し黄色になりました。
元々、虎斑の品種ですので最初は気にしませんでした。
その後、急速に虎斑が進み、褐色になって1枚〜2枚と落葉しはじめ親木はみすぼらしい姿になりました。
この時点で異常に気が付き、鉢から抜いてみたところ根はしっかりしていたので砂植にしました。
砂植にしたのは、この方法で回復した経験があったからでした。(この時は、まだ恐ろしい障害とは思っていませんでした)
しかし、手遅れでした。
この時点で青かった子株の葉も黄変して落ちるようなりました。
そして例の恐ろしい障害だと気付きました。
写真は既に枯死した状態です。
特に管理に失敗したわけではないので防ぐ方法がありません。
対策としては複数の鉢に分けておくしかありません。
発生するのが稀で周囲の鉢に伝染しないのが救いです。
金幽晃は現在ではクズみたいな値段ですが何十年も前に購入した時は10万円以上しました。
小型品種が大きくなる
富貴蘭には銘品が小型に変化したものがいくつかあります。
ただし、これらは子が大きくなってしまう傾向があります。
例として羅紗覆輪が小型に変化したものがあります。
最初の写真は15年程前に購入した羅紗覆輪の小型変種で中野覆輪と呼ばれているようです。
子吹きは良いのですが子は殆ど普通サイズの羅紗覆輪となってしまいます。
残念ながら大きくなった羅紗覆輪は処分して手元には残っていません。
2枚目の写真は比較的小型に出た子供を株分けしたものです。
一般の羅紗覆輪に比べたら小型ですが親に比べたら大きくなっています。
この株の子供(孫)が今のところ中野覆輪のサイズです。
3枚目の写真は朝日殿が小型に変化したものです。
20年位前に中央の小型の木を購入しました。
大きくならず親としては完全に固定しています。
以前、子は全て大きなサイズでしたが最近、小さめの子も出るようになりました。
それでも写真の覆輪の子のような普通サイズが、まだ出ます。
尚、手前の子は白縞になっています。
4枚目の写真は豆金剛ですが小型の親は枯れて現存しません。
写真は生まれた子が株立ちになったものです。
親は葉の長さが半分程度でしたが徐々に芸が進んで最後は芯が止まってしまいました。
枯れる前に沢山の子を生みました。
枯れる前の親の写真が「ギャラリー1」→「無地葉変わり」のページで紹介されています。
豆金剛も何らかの豆葉品種が小型に変化したものだと思います。
これだけ固定性が悪ければ大きな親が沢山存在している筈です。
そうでなければ品種を維持出来ません。
ここで紹介した個体は子は大きくなる場合が多いですが親木は長期間、固定しています。
しかし、芸が進みすぎると枯れる可能性があると言えます。
これ以外に偽物の小型変種も出回っています。
矮化剤による小型種
かなり昔になりますが専門店で銘品の小型変種を購入したことがあります。
この時は栽培するにつれ、親木自体が大きくなってしまいました。
矮化剤を使用していたと思われます。
勿論、専門店の仕事では無く、仕入先の仕事だと思いますが短時間では判らないので厄介です。
凝る
「凝る」とは突然、葉の長さが短くなってしまう事を言います。
元々、葉の短い品種で有れば一つの芸ですが、本来、葉の長い品種が短くなるのは見苦しく、生長も遅くなり、場合によっては
生長が止まり、芯止まりになる可能性があります。
短くなった葉は1〜2枚で元に戻る場合もあります。
原因としては光線がが強すぎると言う人もいますが、弱光線でなる場合もあり、原因は判りません。
起こる確率は多くは無いですが鈴虫のように凝り易い品種もあります。
写真の青王錦は2枚目の葉が短くなっていますが天葉は少し伸びそうです。
墨隈の誉は短い葉が3枚程出て生長が止まったので砂植えにしました。
今年になって再び葉が伸び出した。
3枚目の写真は紅緑宝ですが15年位前に実生苗を購入しました。
根の太さから親木になっているとは思いますが大きくなりません。
前述の豆金剛が大きな子を出したのとは反対に凝った小さな子が出ています。
拡大して見ると特に右側の子の葉が益々小さくなってきたのが判ります。
これは生長が止まりそうです。
春に目覚めない
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連城丸 |
写真は連城丸で写したのは6月中旬です。
花芽や根先は少し伸び始めていますが葉が閉じていて生気がありません。
冬に乾かしすぎた可能性もありますが、他の原因かもしれません。
毎年、2〜3鉢、このような株があります。
光線を弱めにして水分を多めにすると、殆どの場合、復活しますが生長は大きく遅れます。
場合によっては調子が戻らず、枯れる場合もあります。
凍害
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温度記録計 |
近年、温暖化が話題になっていますが今年(2016年12月〜2017年2月下旬)は例年より冷え込みました。
私は温室内に自作の最高、最低温度計を置いていますが、写真は実際の記録です。
テレビや新聞で発表される温度は平均値ですので実際は、もう少し大きく振れます。
最低温度は−3.6℃と記録されていますが例年は−2.0℃程度でした。
その為、普段、何事もなく越冬している植物が被害を受けました。
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ユウコクラン |
例年は無事に越冬しているユウコクランの葉が寒さで溶けてしまいました。
ただし、バルブや根元の新芽には影響が無いので比較的短時間で回復すると思います。
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キンギアナム |
デンドロビウムキンギアナムは寒さに強く、例年は被害が無いのですが、今年は葉が傷みました。
被害の無いバルブも有り、枯れることは無いと思います。
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デンドロビウム原種 |
原種のデンドロビウムです。
一般的なデンドロビウムはバルブに養分を蓄えるのですが、この個体は葉に養分を蓄え、多肉植物的な面白味があります。
入手して間もなく、今年が初めての越冬になります。
葉が変色して、かなりな数が落ちてしまいました。
残った葉も葉先が変色してしまいました。
生き残れるかどうかは不明です。
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オンシジューム |
斑入りのオンシジュームです。
オンシジュームも寒さに強く、例年、軒下でも大丈夫なくらいですので温室内で凍害を受けるのは驚きです。
2鉢の内、手前の鉢は被害が軽いのですが奥の鉢はダメージを受け新芽が出るかどうか不明です。
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ムシトリスミレ |
水苔を食害するコバエを捕る為にムシトリスミレを栽培しています。
寒さに強く、冬でも腰水栽培で青々していますが今年は葉が溶けました。
ただ、芯の部分は元気ですので、暖かくなれば回復すると思います。
腰水栽培を止め、水を控えめにすれば、さらに寒さに強くなると思います。
同様の目的で栽培していたナガバノモウセンゴケは枯れてしまいましたが根伏せで増殖出来るので回復の可能性は
あります。
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クワズイモ |
クワズイモは最初から寒さに弱いことが分かっていたので防寒対策をしていました。
大きな鉢の中に入れ上に透明塩ビの板を被せ、水は控えめにしました。
秋から生長が止まっているので葉は傷んでいますが寒さによる傷みではありません。
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星光殿 |
この時期、天葉が傷んだ富貴蘭が1鉢だけ見つかりました。
ただし、寒さ以外でも天葉が傷む事があるので原因が確定したわけではありません。
350鉢程度の富貴蘭を温室内で栽培していますが他に被害はありません。
当地では冬の雨にさえ当てなければ富貴蘭は寒さに耐えます。
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屋外の富貴蘭 |
私は少数の富貴蘭を屋外で栽培しています。(というより放置)
25芽程度のうち2本の芯が腐りました。
ただし、寒さによるものか管理の悪さによるものかは不明です。
全部が砂植ですが、水苔植えを屋外に置けば被害は大きいと思います。
まとめ
富貴蘭に限らず特定の品種を長年にわたり維持するのは大変です。
枯らす可能性があるし、枯らさなくても品種の特徴を失ってしまう場合もあります。
昔は品種を多く集める為に1品種1鉢としていたのですが最近は品種の数を減らし、1品種3鉢位は持つようにして
います。
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