電池2本から5Vを得るDCDCコンバータは今までも色々、試しています。
安くて小型で比較的、効率が良いという理由でHT7750Aを使うことが多いのですが、いまいちなところがあります。
・出力電圧が変動する。
・特定の動作条件で強烈な三角波状のリップルが出て、これが取りにくい。
等の問題があります。
今回、秋月電子で販売されていたXCL101C501BR−GというDCDCコンバータを試してみました。
TOREXのコイル一体型チップを秋月電子でDIP変換基板に実装したものです。
変換基板にはインダクタ以外に入出力のコンデンサーも実装されているので基本的には外付け部品無しで使えるはずです。
ただ、いきなり電池に接続したのでは危険ですし、入力電圧を変化出来ないので、特性が取れません。
親電源は電圧と電流を設定できる実験用のCVCC電源を使います。
CVCC電源には僅かなリップルが乗っていて、出力端子から導線でチップまで給電すると動作が不安定になる場合が
あります。
従って入力側に100uFの電解コンデンサを接続しています。
あとは負荷抵抗のみです。
負荷抵抗を固定し、入力電圧を変化させた時のデータです。
出力電圧が5Vですので、とりあえず100Ω(実測98.1Ω)の抵抗を接続して50mA程度の電圧を流してみます。
チップは0.77V近辺で立ち上がっています。
ピーク電流の位置は親電源の電圧を上げていった時のもので、電圧を下げた場合は、もう少し低い位置になります。
(ヒステリシスがある。)
このピーク電流の位置では、まだ出力電圧が確保出来ず、使用出来ません。
電源電圧1.37Vのところで曲線が折れ曲がっていますが、これより高い電圧で使用出来そうです。
大雑把に言えば負荷電流50mAを得るには1.5V程度は必要であると言えます。
高い方は5Vまで試しました。
電池電圧を1.5V〜3Vとすると、結構、安定度は良いと思います。
さらに電圧を上げていくと徐々に電圧が上がり、5V以上では入力電圧が、そのまま出力電圧に出るモードに
切り替わるようです。
そのような使い方をする必要は無いと思いますが。
効率は非常に良いです。
アルカリ電池でもニッケル水素電池でも2本使えば効率85%程度は得られるということです。
入力電圧を3Vに固定し、負荷を変化させた場合の特性です。
入力電流が負荷電流に比例しています。
回路でのロスが少ない為と推測します。(特に軽負荷で)
グラフの範囲での最大値と最小値の差が0.11Vですので、まずまずだと思います。
HT7750Aよりは良いはずです。
軽負荷でも効率が高くなっています。
回路自体の消費電流が少ないと思われます。
波形は入力電圧3V、負荷電流100mAのものです。
ノイズ波形はプローブの当て方により変化します。
この場合はチップから15cm程度のリード線を引き出し、負荷抵抗を半田付けして、足の両端にプローブを付けたときの
ものです。
HT7750よりは対処し易いと思います。
変換基板の裏面はベタアースになっていて安定して動作します。
コイルと入出力コンデンサーが実装されているので簡単です。
変換効率が高く省スペースです。
ただし電池2本では負荷電流100mA程度が限界です。
実験段階では好印象を持ちました。
そのうち、実際の回路に組み込んでみようと思います。