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 ニッケル水素単三電池用放電器

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単三電池用放電器

 以前、ニッケル水素006P用の放電器を製作しましたが、今回は単三電池用の放電器を製作しました。
 やはり、メモリ効果を解消する為とというより、今後、製作を予定している充電器の動作試験での使用を 主な目的に考えています。
 充電器の試験を繰り返し行うため、充電したら必ず放電して、次の充電に備えなければならないからです。
 前回、006P用の放電器は、電池自体の電圧が高いので、自分自身の電圧で制御回路を駆動する事が容易でした。
 今回、電池1本の電圧が低いので、放電させるための回路を工夫しなければなりません。

直列に接続して放電する

 電池を直列に接続すれば、高い電圧が得られるので、制御回路の自由度が増します。
 ただし、決められた本数だけ電池が必要になり、1本単位で放電することは出来ません。
 また、直列に接続した場合、特定の1本にストレスが集中してダメージを与えないか心配になります。

制御回路を別電源にする

 制御回路の電源を放電する電池以外から供給出来れば1本単位で電圧を計測しながら放電出来ます。
 しかし、複数本の電池を放電するには、回路が若干、複雑になります。
 なにより、別電源を用意するという事自体、気に入りません。

単純に抵抗1本で放電する

 これでも、放電するという目的は達成出来ます。
 ただし、電圧が0Vになるまで放電してしまうので、電池にストレスを与える心配があります。
 人間が常に監視していて、時々、電圧を測るのであれば、これでも良いかもしれません。

抵抗とダイオードの直列回路で放電する

 この回路は、よく目にします。  電圧が0.55V位になると電流が流れなくなるので、0Vまで放電してしまう事はありません。
 ニッケル水素電池の放電終了電圧は0.9V程度が望ましいと言われているので、0.55Vは低い気がします。
 ただし、1本単位で放電するのであれば、それ程、問題無いと思います。
 それに、電圧が下がるにつれて、電流が減ってくるので、時間的に余裕を持って監視出来ると思います。
 もし、表示ランプを点けるとすると、電池1本では、ちょっと大変です。
 電圧が低いのでLEDは点灯せず、低電圧で点灯する電球を使用することになります。
 (1V以下で使えるスイッチング電源もあり、昇圧すればLEDも点灯は可能ですが、表示の為だけに使うのは 馬鹿らしい。)
 電球を電池両端に接続すれば、0Vまで放電してしまうし、抵抗の両端に接続したのでは、暗すぎます

あるサイトで発表していたもの

 これは、あるサイトで発表していたもので、回路は掲載出来ません。
 要はNPNトランジスタとPNPトランジスタをSCR接続にし、小抵抗を介して放電するものです。
 この時、正帰還のレベルをボリュームで設定出来るようになっています。
 電圧が下がってくると、回路電流が減ってきますが、正帰還のおかげで、あるポイントで切れよくオフするものです。
 すなわち、ボリュームで放電停止電圧が設定出来るようです。
 ただし、起動の為にトリガが必要で、電池1本毎にスタートスイッチが必要となります。
 工夫された面白い回路ですが、追試してみた訳では無いので詳細は不明です。

今回製作したもの

 全く独立した回路が6ブロックあるので、1〜6本まで任意の本数を任意のタイミングで放電出来ます。
 基本的には定電流回路です。
 ただし、電圧が低いのと放電表示の電球の点灯電流が電圧依存ですので、やや右肩上がりになります。
 放電表示には2.5Vのムギ球を使用し、電池電圧が0.75〜0.8V以上で点灯します。
 データは電池では無く、定電圧電源を使用して計測したものです。
 実際に電池を接続すると、若干、電流が減ります。
 これは、電池ケースの接触抵抗の影響だと思います。

   回路図(1/6ブロック)

   放電特性グラフを表示する

まともな電池ケースが手に入らない

 ニッケル水素単三電池放電器の問題点は回路よりも電池ケースにあります。
 単三電池ホルダーで電流の流せるものが簡単に手に入りません。
 昔からある、プラスチック製のものはマンガン電池で100〜200mAを流す場合は特に問題ありませんが ニッケル水素電池で500mA以上流そうとすると、まず使い物になりません。
 以前、充電器を製作した時、接触抵抗で発熱し、電極部分のプラスチックが溶けて壊れてしまうことも経験しました。
 バネの材質と電極をかしめる方法に問題があるようです。
 不良品で電流が流れないものも、結構あります。
 今回、計測データは、回路を電圧可変出来る定電圧電源に接続して計測しましたが、実際に電池を接続すると 接触抵抗で数十〜百mA程度も電流が減ってしまいます。
 表示灯の点灯電圧も50mV程度、電圧を上げなければ駄目なようです。
 使用した6個の電池ケースの内の1個は不良品で、全く電流が流れませんでした。
 仕方が無いので、かしめた部分に半田を流して、なんとか使えるようにしました。
 この時、プラスチックが熱でフニャフニャになりますので、冷めて固まるまでに整形して、完全に固まってから 使用しました。
 回路的には、もっと電流を流す事も可能ですが、電池ケースの問題で、現実的には、これくらいが限度です。
 もっとも、私自身の情報量が少ないので、探せば、もっと良い電池ケースが有るかもしれません。


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