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 455KHzIFT調整用発振器

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 製作の理由

 最近、電池管4球スーパーを何台か作りました。
 スーパーは性能を出すためにトラッキング調整が欠かせません。
 調整は同調周波数範囲の調整、局発周波数範囲の調整、中間周波数トランス(IFT)の調整の三種類があります。
 最初、これらを全てディップメーターで調整していましたが、局発周波数はディップメーターでは拾いにくいので専用の 周波数カウンターを製作しました。(別頁「周波数カウンタ」参照)
 IFTはディップメーターに変調を掛けて調整していましたが変調音が聞きづらいのと455KHzがバーアンテナに引き込まれ て変動してしまい面倒でした。
 そこで今回IFT調整専用の455KHz発振器を製作しました。


 回路図

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回路図

 手持ちに455KHzの水晶やセラロックが無かったのでトランジスタスーパーの局発コイルで発振させました。
 最初、IFTで発振させましたが電源電圧変動で発振周波数が変動するので局発コイルに変更しました。
 局発は900KHz〜2MHz程度ですので455KHzでは巻き数を増やした方が良いのかもしれませんが面倒なので コンデンサーの容量を増やして発振させました。
 コンデンサーは古い円筒形のチタコンです。
 変調用の発振回路はツインT回路で1KHz程度を目指しましたが結果的に1.25KHzでした。
 低周波の発振回路という事で、最初、マイラーコンデンサーを使ったのですが発振せず、積層セラミックコンデンサーに変えた ところ発振しました。
 10KΩの半固定VRで変調度を調整します。
 変調を掛けた出力を周波数カウンタに入力するとカウントをミスします。
 搬送波の周波数を確認するため変調入り切りスイッチを付けました。


 製作した発振器

製作した発振器

 回路はユニバーサル基板に組んで100円ショップで買ったプラスチックケースに入れています。
 電池は単三電池2本で消費電流は3Vの時23mAでした。

変調波形
 上の写真は変調した出力波形でVRを最大にしたときのものです。
 出力は1Vp−p程度ですが、これでもIFTの調整には大きすぎるので半固定のVRで絞っています。
 かすかに聞こえる程度に絞った方が合わせ易いです。


 周波数安定度

 電源電圧2V〜3Vの変動に対して周波数は殆ど変化しません。
 温度変化に対しては若干、変動します。
 暖房した部屋で周波数を合わせ、翌朝、暖房前の部屋(温度差10℃程度)では1.5KHz程度、周波数が 下がっていました。
 暖房すると元に戻りました。
 周波数を確認して合わせ込み、室温が大きく変動しなければ使えると思います。

 455KHzIFT調整用発振器U

 今まで20台以上の電池管ラジオを製作しましたが、上記の発振器は非常に役に立ちました。
 しかしながら、若干の問題がありました。
 LC発振の為、温度変化や電池電圧の変化で±2KHz程度の変動がある事です。
 その為、使用前にキャリアの周波数を確認して微調整していました。
 今回、455KHzのセラロックが手に入ったので周波数の変動を抑える事を期待して作り直しました。
 これなら無調整で使用出来ると思います。


 回路図

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回路図

 キャリアの発振回路以外は1号機と殆ど同じです。
 発振波形は歪んでいたので455KHzIFTで共振させて整形しています。
 IFTは2段で共振させていますが1段でも良かったかもしれません。


 製作した発振器

製作した発振器

 最初、1号機を改造したのですが、調整中に回路を短絡させ部品を壊してしまいました。
 普段は用心深くCVCC電源で調整するのですが、電池で調整してしまいました。
 電池の発熱で回路の短絡に気付きました。
 仕方ないので全て作り直しました。
 ケースも出力調整用のVRを取り付ける為に作り直しました。
 以前は基板内の半固定抵抗で出力レベルを調整していたので不便でした。
 キャリアさえ発振すれば回路は1号機と殆ど同じですので問題はありませんでした。
 電池電流は3Vの時16mAと少なくなりました。
 1号機は2SK241を0バイアスで使っていた為、電流が流れていました。


 周波数安定度

 セラロックは直列に接続されたコンデンサーを可変することにより周波数を微調整出来ます。
 ただし、トリマーコンデンサーを付けて微調整する意味はありません。
 温度による周波数の変動が予想以上に大きく、恒温室にでも入れなければ無意味となります。
 ドライヤーで基板を加熱したら500Hz位、周波数が下がりました。
 通常の使用では±300Hz位の変動と予想します。
 それでも、このくらいの変動ではIFTの調整には問題ないと思います。


 セラロック発振波形

セラロック発振波形

 AC結合で交流成分のみ表示しています。
 かなり歪んでいるのでIFTで共振させて整形します。


 変調周波数

変調周波数

 キャリアを変調する低周波信号です。
 1KHzを目標にして製作したツインT回路ですが若干、高めの周波数になりました。
 1KHzでも2KHzでも特に問題ありません。


 出力信号(無変調)

出力信号(無変調)

 出力VRを最大にした時の波形です。
 実際に使用するには大きすぎるのでVRで絞ります。


 出力信号(変調)

出力信号(変調)

 変調の深い、浅いは基板内の半固定VRで調整することが出来ます。
 振幅の小さいポイントではカウントミスするので周波数表示は低くなります。


 出力信号(浅い変調)

出力信号(浅い変調)

 出力信号(深い変調)

出力信号(深い変調)
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