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今まで中波のスーパーを中心に真空管ラジオを製作しましたがFMラジオは私には難しく簡単には手が出せませんでした。
前回、FMのスーパーを製作し何とか地元のローカル放送が聞こえるようになりました。
FMスーパーはトラッキング調整が難しく周波数の全範囲をカバーするのが至難の技です。
長い調整期間の結果76MHz〜95MHzの全範囲をカバーすることが出来ました。
ローカル局4局は全て聞こえます。
ただ76.5MHzのコミュニティー局(推定距離15Km出力20W)は室内ではかすかに聞こえる程度です。
これでも私にとっては大成功といえるものです。
気を良くして今度は超再生ラジオに挑戦してみました。
超再生ラジオは今まで電池管5676で何回か実験してみましたが最も電波状態が良い1局が聞こえただけでした。
今回はgmの高い傍熱管を使うことにしました。
今までは全てプラスチックのパーツケースにラジオを収納していましたが今回は収まらないのでアルミシャーシに載せる
ことにしました。
回路を考える前にシャーシの製作を始めました。
使い残しの200mm×165mm×1tのアルミ板があったので、これをシャーシの天板にしました。
これに1tアルミ板を切断した正面パネル、側板、後板を直角に固定しました。
板と板の固定には10mm×10mm×1.2tアルミLアングルを使いビス止めしました。
穴空け個所が多く寸法精度も必要なので作業は大変で大量のビス、ナットを消費しました。
これだけの大きさがあれば楽に収容出来ると思ったのですが結果的には目一杯でした。
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今回はAC電源にしました。
6.3V1Aのヒータートランス1個で全ての電源を賄います。
6.3Vを全波整流しレギュレータで6Vにしてヒーターに供給します。
B電圧は30Vに設定します。
6VからDC/DCコンバータで30Vに昇圧します。
30V20mAくらいのトランスがあればピッタリですが適当なものが無いのでDC/DCコンバータを使いました。
今回、真空管に6AJ5を2本、6AB81本を使ったのでヒーター電流650mA位になります。
DC/DCコンバータは効率70%以上を期待出来るので30V10mAの負荷時の入力電流は80mA程度です。
合計6V730mA程度の電源が必要となります。
6.3Vを整流すると無負荷の時は平滑コンデンサーがピーク電圧で充電されるのとトランスのレギュレーションの影響で
10V位になります。
定格負荷では6V程度になると思います。
負荷に拘わらず6Vの出力を得る為に低損失のレギュレータを入れています。
製作した電源に8Ωのダミー負荷を接続すると750mAの電流が流れますが、これは実際の負荷電流より僅かに多い
程度です。
電圧を実測すると出力電圧6Vで平滑コンデンサーの電圧は6.95V程度です。
レギュレータの入出力電圧差は0.3V必要ですが余裕があります。
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DC/DCコンバータは何十個も作っているので問題はありません。
通常は1.5V入力のものが多いのですが6V入力のものも実績があります。
効率を上げるには一次側の巻き数を1.5V入力のものより多くします。
後は巻き数比を計算で求めます。
通常は後で少し巻き戻して出力電圧を調整するのですが今回は省略しました。
従って少し高めの電圧が出ます、
負荷電流を10mA取ったときの負荷電圧は32V〜33Vでした。
この時の効率は73%になります。
負荷を短絡しても短絡電流は15mAに抑えられます。
負荷を解放したときは35.5Vに抑えられます。
DC/DCコンバータのコレクタ波形は必ず確認します。
ノイズを抑える為に波形を鈍らせていますが波形を見れば効果があるか判ります。
用途によっては鈍らせるのを止めて効率を、さらに上げることが可能です。
製作したコンバータ | 実装したコンバータ |
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普通の超再生ラジオの回路です。
ボディーエフェクトと不用輻射の低減を狙ってプリアンプを付けていますがゲインは期待できません。
カソードは全て接地していますがB電圧が低いのとコンバータの電流制限があるので危険はありません。
6AB8はプレートに35Vを加えると5極管で4〜6mAのプレート電流が流れ、3極管で1mA前後の電流が流れます。
6AJ5は3結では6mA程度流れます。
プリアンプではスクリーン抵抗でプレート電流を調整しています。
電流を少し絞った方が感度が上がるようです。
真空管
6AJ5は6AK5に類似の真空管で同時期に開発された様です。
軍の移動無線で低電圧での動作を目的としたものだという解説がありました。
6AB8はヒーター 電流の少ない複合管ですがカソード共通で使いづらいと言われています。
今回はカソードを接地しているので関係ありません。
1本150円で購入した10本の内1本で若干の不安があります。
バリコン
ジャンクの金属製3連バリコンです。
古いもので何時、何処から購入したか記憶にありません。
3:1の減速ギヤが付いていて微調整に便利ですが軸の回転が逆になるので右に回すと周波数が下がります。
3連の内、後ろ2つにトリマが付いています。
1:3トランス
サトー電気で購入した物で詳細は不明です。
低周波チョーク
ラジオ少年で購入したBT−CH−9です。
インダクタンスは70H程度(1kHzで実測)直流抵抗は4.2KΩ程度です。
出力トランス
ラジオ少年で購入したBT−OUT−1Mです。
10K:8Ω、一次巻き線の直流抵抗は640Ω程度です。
アンテナ
伸長62cmのロッドアンテナですがBNCコネクタで交換できます。
ラジオ正面 | ラジオ側面 | シャーシ内部 | ヒーター点灯 |
シャーシ上面に取り付けのアルミ板と3mmのアルミ棒は真空管を装着した状態でラジオを逆さに置くための足です。
調整、手直しに便利です。
受信範囲は76MHz〜95MHzです。
従って76.5MHzのFM島田から93.9MHzの静岡放送FM補間局まで一通りのローカル局は受信できます。
4局、6周波数になります。
ただし、FM島田はコミュニティー局で推定距離15Km出力20Wですので音が小さくノイズが強くなります。
電波の状態良い93.9MHzはノイズが少なく音質が良いのですが、他の局は多少ノイズが感じられます。
それでも、普通にストレス無く聴くことが出来ます。
毎日使うラジオにはなり得ませんが時々使うラジオにすれば手作りの音が楽しめます。
今回は機械的な工作、電子工作が楽しめたので結果には満足しています。
一旦、完成して作業を打ち切ったのですが、暇があると手直ししたくなります。
色々、試してみたのですが効果のあるもの変化のないもの、悪くなったもの様々です。
効果と言っても飛躍的な進歩はありません。
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低周波チョークBT−CH−9をトランジスタ回路用のST−30Aに交換してみました。
大きな変化はありませんが若干、音が大きくなった気がします。
ただしST−30Aの方が高価です。
1:3低周波トランスをトランジスタ回路用のドライバートランスのST−17Aに交換してみました。
入力と出力を逆にして接続しています。
これも大きな変化はありませんが悪くなってはいません。
寸法はかなり小さくなり値段も安くなりました
出力トランスをBT−OUT−1MからBT−OUT−1Hに変更しました。
音量が殆ど変わらなかったので沢山の手持ちのあるBT−OUT−1Hに変更しました。
手持ちの使い回しの関係で性能的な理由ではありません。
回路図には反映されていませんが検波コイルの給電位置をセンタータップからプレート側に1巻き移動しました。
効果は不明です。
消費電流が10mA以下ですのでB電圧は32Vでした。
初段(6AJ5)のカソード電流はVRの位置により0.72mA〜3.6mAでした。
次段(6AJ5)のカソード電流は正確には計れませんがR3(10K)の電圧がVRの位置に拘わらず11.2V程度
ですので1mA以下と予想します。
6AB8のカソード電流は4mA程度で負バイアスは−0.9Vです。
大柄の1:3トランスが無くなり小型の山水トランスに替わりました。
62cmのロッドアンテナでも聞こえたのですがダイポールアンテナを製作して接続してみました。
ラジオのアンテナ端子はBNCコネクタですので簡単に差し替え出来ます。
以前、仕事で片側にBNCコネクタの付いた長さ2mのRG−58Aケーブルを多数、手配したことがあります。
残りが何本かあったので、これの先端に2本のKV電線を芯線とシールドに半田付けします。
2mの同軸ケーブルは、もう少し長い方が便利だと思います。
2本のKV電線は1/4波長という事で長さが決まっています。
中心周波数を85MHzとすると1本の長さは約88cmとなります。
実際のダイポールアンテナは平衡、不平衡とインピーダンスの変換の為に接続部にバランを付けるようですが
今回は受信専用ですので省いても大きな差は無いようです。
我々素人が下手にバランを作ると逆効果の可能性があります。
バランに関しては書籍「トロイダル・コア活用百科」に解説があります。
ダイポールアンテナは室内では壁等に貼り付けるので指向性の調整は困難です。
それでもロッドアンテナを最良の向きに合わせた程度の感度はありました。
DSPラジオではPCのノイズに強くなったので効果はあるようです。
以前のスピーカー | 今回のスピーカー |
1枚目の写真は以前のスピーカーです。
最大入力7Wで大きなマグネットが付いています。
2枚目の写真は現在のスピーカーで最大入力3Wでマグネットは貧弱です。
マグネットの大きなスピーカーは大入力で威力を発揮しますが、このラジオの様に小出力では効率が落ちる場合があります。
結果として、わずかに音が大きくなりました。
傍熱管6AJ5を使用した超再生FMラジオは条件は付きますがコミュニティー局が受信出来、まずまずの結果でした。
ただ、AC電源でしたので電池電源のポータブル型を製作してみました。
回路構成は6AJ5を使用したものと同じです。
使用真空管は5676を2球、6088を2球使用しました。
VHFで使える手持ちの電池管は5676しか無いので選択の余地はありません。
ただ、ヒーター電流が120mA喰うので低周波増幅はヒーター電流をケチって6088にしました。
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B電圧、電流は36V〜38V、7〜8mA程度を想定しています。
6088は0バイアス(グリッドリークバイアス)でプレートに40V以上を掛けると最大カソード電流の定格を超える
可能性があります。
ヒーター電流とDC/DCコンバータ入力電流を合計すると500mAを超えると予想されるので電池は単3電池2本パラに
しています。
連続動作時間は5〜6時間程度と予想します。
入力の保護ダイオードは調整時にCVCC電源を使用する時に役立ちますが電池で動作させるときは不用です。
ただし付けたままでも問題ありません。
回路構成は傍熱管の時と同じです。
バリコンは以前、ラジオ少年から購入したジャンク品です。
3:1の減速器が付いていて軸の回転が反転します。
付属のトリマは目視では状態が判らず再現性が無いので外付けの2連トリマを2個、取り付けています。
FM3連、AM2連ですがFM3連のみ使用しています。
FM3連のうち前側2セクションのみトリマが付属していますが調整には外付けトリマを使用しています。
前側2セクションを検波同調に使用し残りを入力同調に使用しています。
コイルは空芯コイル、トロイダルコイル、モノコイルが考えられますが空芯コイルが1番Qが高くゲインが稼げる様です。
反面、同調が少しでも外れるとゲインが大きく下がります。
感度が良いので周囲の影響を受けやすく、周囲に電波を放射します。
ディップメーターで共振周波数が容易に判るのはメリットです。
この回路には同調回路が入力部と検波部の2個所あります。
最初は2個所共、空芯コイルを使用しました。
2つのコイルの位置を離し向きを90度変え、間に遮蔽板を立てても発振しやすくボディーエフェクトも大きいので入力側の
同調コイルをトロイダルコアに変えました。
扱いやすくなりましたがディップメーターで共振点を測れなくなりました。
インダクタンス(0.32uH)と実測容量を使って計算で共振周波数を求めています。
多少ずれる可能性がありますがQが低くなっているので多少ずれてもそれなりのゲインが得られるのではないかと思います。
山水ST−30トランスのコイルと鉄心の隙間に0.16mmのウレタン線を50回巻きました。
巻き枠が使えないのでトロイダルコアを巻くより面倒ですが50回と、そこそこ少ないので我慢します。
大出力は期待出来ませんが静かな室内なら実用的な音量が得られます。
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B電圧を36V、電流7mA位に想定して製作しました。
効率は70%程度です。
製作したコンバータ | コレクタ波形 |
製作したラジオ | 内部 |
例によってホームセンターのパーツボックスに収納しています。
高周波部分は頻繁な回路変更、部品交換が予想されるのでスペースを広く取ってあります。
低周波部分は大きな変更は無いのでユニバーサル基板に組んであります。
現状は93.9MHzのSBSのFM補完局のみ実用的に聴くことが出来ます。
送信所が5〜6Kmと近く500mの山の山頂近くにあり出力も1KWと大きいので他のローカル局に比べ桁違いに
電波の状況が良くなっています。
他の局は選局が困難で選局出来たとしても音量が小さくノイズに埋もれてしまいます。
前作ではコミュニティー局までも受信できたのですが,,,,,,
回路内容は殆ど同じですので6AJ5と5676の性能の差かアルミシャーシーとプラケースの差が影響していると
思われます。
消費電流は電池電圧1.5Vの時ヒーターに300mA程度、DC/DCコンバータに220mA程度流れます。
電池電圧1V程度まで動作するので5時間程度の連続使用時間となるはずです。
記事UP後も細かな変更や調整を続けましたが大きな変化が見られず作業を打ち切りました。
ラジオはバラして部品取りも考えましたが、今後の参考資料として保存することにしました。
現物と同じ回路図も残すことにしました。
分解してケース以下、多くのパーツを次の製作(以下の記事)に流用しました。
回路図は参考資料として残します。
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入力同調コイルを空芯コイルに戻しました。
Qが高いのでコレクタ負荷は2.2uHと低くしています。
この回路は試行錯誤の途中の段階ですので性能的にベストという訳ではありません。
最初の回路の方が良かった可能性もあります。
写真はバリコン周辺です。
向かって左側のコイルは検波回路で右側のコイルは入力同調回路です。
前作「超再生電池管FMラジオ」は失敗作ですが分解するのも手間が掛かるので「参考資料」という名目で残したのですが
新規にポータブルFMラジオを作る事になり、部品を流用するために分解しました。
流用したのはケースとアルミのベース板、バリコン回り等です。
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高周波部分は前回の電池管のものと似たような構成です。
低周波アンプは半導体を使用しました。
電源が単3電池4本ですので、傍熱管を使用すると連続使用時間が1〜2時間になってしまうと予想されます。
今回の回路では連続4〜5時間が期待できます。
スペース的にも楽になります。
電源は外部DC電源を接続することも可能です。
逆電圧と7.3V以上の電圧はカットされます。
B電圧はDC/DCコンバータで作成されます。
耐圧50Vのコンデンサーを使っているので24Vの定電圧ダイオード2本を直列に入れています。
これはCVCC電源で調整したときを想定しています。
DC/DCコンバータにも同様の保護回路が入っているので完成後は二重になります。
真空管は6DT8を使用しました。
データを見ると12AT7に似ています。
ヒーター電圧が6.3V専用になった為センタータップが無くなり、シールド端子になっています。
2つの3極管ユニットの中間に遮蔽板があり9番ピンに接続されています。
前回ジャンクのバリコンにトリマを外付けしたユニットをそのまま流用しました。
前回は電池電圧1.5V、今回は6VですのでDC/DCコンバータは流用出来ず新規に作成しました。
回路図では+40Vとなっていますが実際には入力6Vの時、5.61KΩの負荷に45Vの電圧を発生するように
二次巻き線の巻き数を合わせ込みました。
その時の結果は
入力電圧: 6.0V
入力電流: 84mA
負荷抵抗: 5.61KΩ
負荷電圧: 45.4V
負荷電流: 8.1mA
効率: 72.9%
実際の負荷は上記の条件より軽いので入力電流も効率も若干、下がります。
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DC/DCコンバータの動作波形は必ず確認します。
写真は両コレクタの電圧をAC結合で撮影しているのでセンターラインに対し−VCC〜+VCCの範囲で
表示されます。
DC結合にすると0V〜+2VCCの範囲で表示されます。
ラジオノイズを除去するために波形を少し鈍らせています。
波形を鈍らせなければ一方のトランジスタの立ち上がりと他方のトランジスタの立ち下がりは完全に重なり効率も
上がりますが立ち上がり立ち下がりに強烈なオーバーシュートが発生します。
繰り返し周波数は可聴周波数範囲内ですが音声信号として漏れ出すことはありません。
負荷解放保護
DC/DCコンバータはトランスのレギュレーションが悪いので負荷を解放すると高い電圧が発生します。
コンデンサーの耐圧を超える可能性があるので定電圧ダイオードで吸収します。
今回は48.1Vでした。
過電流保護
負荷に対しては定電流ダイオードの合計電流(今回は約15mA)以上流れることはありません。
問題は負荷を短絡した時のコンバータ自体の損失です。
負荷を短絡したときDC/DCコンバータの動作は次の2つの場合が考えられます。
1 発振を続ける。
2 発振を停止する。
どちらになるかは、その時の動作条件によって変わり、やってみないと判りません。
1の場合は入力した電力の殆どを定電流ダイオードが負担します。
定電流ダイオードは発熱すると電流値を減らすので壊れることはありません。
2の場合は発振が止まるのでトランスの二次側には電流は流れません。
一次側に入力された電力は制御トランジスタで消費されて熱となります。
今回は発振が停止しました。
電池電圧6Vの時、両トランジスタのコレクタにはコイルの巻き線抵抗や配線抵抗での電圧降下を引いた5.5V程度が
掛かります。
流れた電流は162mAでした。
この電流はコレクタ電圧とトランジスタのHFEとベース抵抗で決まります。
ベース抵抗を大きくすれば電流値は減りますが正常動作時のコレクタ飽和電圧が大きくなり効率が下がります。
今回の損失(発熱)は5.5V×162mA=891mWです。
これを2つのトランジスタで負担するので1石あたり446mWとなります。
この程度なら対策無しでも耐えられるとは思いますが、気休め程度の対策をしました。
2SC5714はチップトランジスタですので変換基板に取り付け、裏面に厚手の銅テープを貼り付けてあります。
製作したコンバータです。
チップコンデンサー等、一部の部品は半田面に付いています。
この後、厚紙で作った箱に入れ銅テープでシールドします。
今回、消費電流とスペースを節約するために半導体の低周波アンプを使用しました。
使用したのはMC34119というDIP8ピンのパッケージのものです。
類似のICは色々あるので試したのですがユニバーサル基板に実装すると発振するものが多く、その点、このICは
多少、実装が悪くても安定に動作しました。
ゲインを外付け抵抗で簡単に設定出来るのもメリットです。
スピーカーのマイナス出力がGNDから浮いている事に注意します。
今まで共振周波数の測定にデリカのディップメーターを使用していたのですが35MHz〜80MHzと
80MHz〜200MHzの2本コイルを差し替えなければならず80MHz〜200MHzのコイルはディップも浅いので
使いにくいということがありました。
今回のラジオ製作の直前にFMラジオ調整用のディップメーターを製作しました。
58MHz〜113MHzを1本のコイルでカバーするので便利に使えました。
ディップメーターのページに製作記事があります。
製作したラジオ | 内部 | トリマの調整 |
ケースとベースのアルミ板は前回のラジオから流用しました。
基板は作り直しています。
3枚目の写真はケース側面に空けた穴から調整ドライバーを差し込んでトリマを調整しているところです。
バリコン付属のトリマは使用せず外付けトリマを使用しています。
外付けトリマは羽の重なり具合が目視出来るものを使用します。
上の写真で左2つは使えますが右側のトリマは使えません。
右に回した時、容量が増えるのか減るのか直感的に判らないからです。
FMラジオの製作記事でコイルの隙間間隔を調整して受信スパンを調整したという記述を目にしますが、この方法では
調整出来ません。
作業に再現性が無く同じ事を何回も繰り返します。
私はコイルを変形しないで受信周波数範囲を76MHz〜95MHzに合わせました。
ポイントはバリコン並列のトリマと直列コンデンサーの調整です。
調整出来ない時はコイルの巻き数を+1又は−1に造り替えます。
アンテナは66cmのロッドアンテナを使用しています。
屋外では76.5MHzのコミュニティー局から93.9MHzの補完局まで全てを受信出来ます。
屋内ではコミュニティー局が実用的に聴けません。
場所により微かに聞こえる程度です。
他のローカル局はノイズは若干ありますが選局と再生の調整でノイズが小さくなるポイントがあり
実用的に聴くことが出来ます。
ホームセンターで1300円で買ったポケットラジオと同程度の感度と感じています。
アンテナ回路のインピーダンスが低い為かロッドアンテナに手を近づけても受信に影響ありません。
逆に言えばもう少し感度を上げられるかもしれません。
消費電流は音量によって変わりますが電池電圧6Vの時室内で普通に聴く音量で400mA弱です。
電池電圧4Vでも聞こえますので連続使用時間は4〜5時間程度だと思います。
現在、製作直後の状態ですので若干の改善の余地があるかもしれません。
前回は失敗しましたが今回は成功と言えます。