通販サイトでEEコアを入手しましたが 特に必要があった訳では無いのでジャンク箱で眠っていました。
EEコアやEIコアは巻き線が容易に出来るので便利です。
比較的、入手が容易なコアとしてTDKのEIコアがあります。
ところが巻き線のスペースが思ったより小さく巻き数が稼げないので使った事はあまりなく、専らトロイダルコアを
使用していました。
購入したコアはサイドの磁路が薄く出来ているので巻き線スペースが大きく取れます。
今回、小型電池管用DC/DCコンバータのトランスとして活用してみました。
購入した通販サイトはバッタ物を安価に通販しているサイトで、コアはメーカー名も特性データも不明です。
もともと理論やデータに基づいて回路を製作していた訳では無いのでアマチュア的には十分使えます。
真空管は6088で寸法を比較するために置きました。
現在、製作予定の予定のラジオは無いので小型電池管ラジオ用の汎用電源として考えます。
・ 電池電圧1.5Vの時、10KΩの負荷抵抗に43Vの電圧を供給する。(負荷電流4.3mA)
・ 軽負荷の時47V以上の電圧をクリップする。
出力電圧が低めですがラジオ側で50V耐圧の電解コンデンサーを使用する為です。
・ 小型にする為にロイヤーの回路を使用する。
・ 効率は60%以上とする。
ロイヤーの回路は効率が高く取れないですが、これくらいは欲しいところです。
回路図をクリックすると拡大表示されます。
拡大図から本文に戻るにはブラウザの←戻る釦を使用してください。
トランス二次巻き線は10KΩの負荷抵抗を接続した状態で43Vになるように巻き数を微調整します。
巻き数が多かったら巻き戻します。
巻き数が足りなかったら出力ピンのセンターピンをタップにして巻き足します。
従って、回路図の巻き数と若干、異なります。
2つのトランジスタのコレクタ間に入っている1uFのコンデンサーはコレクタ波形を鈍らせ、空中伝搬ノイズを
取り除きます。
これで、ほぼ完璧に空中伝搬ノイズは取れています。
1N4005は調整時に間違ってCVCC電源を逆接続したときの保護用で通常は不要です。
定電圧ダイオードは負荷を解放したときの保護用で実測47.5Vでした。
このとき定電圧ダイオードには1mA程度しか流れていないはずです。
定電流ダイオードは真空管ヒーターの保護用と出力短絡の保護を兼ねています。
短絡電流は13〜14mAに抑えられますが負荷側に大容量のコンデンサーがあると充電された電荷で
ヒーターを焼損する事があります。
(調整中に誤って+B電圧とヒーターピンを接触させた時)
負荷側のコンデンサーを10uF程度に抑え、さらに1MΩ程度の放電抵抗をパラに入れます。
短絡電流を実際の3倍位にしているのは電圧降下を減らす為です。
今回、3本パラの状態で0.9Vの電圧降下ですが2本にすると1.4Vの電圧降下になります。
尚、真空管が6418の時は短絡電流を10mA以下にする必要があるので2本パラにします。
電源出力を短絡した時は全電圧が定電流ダイオードに掛かりますが発熱により自分自身の電流を減らすので
100Vまでは壊れません。
ただし、100V耐圧があるのは最大5.6mAの品種までです。
これ以上の電流を流せる品種は30V耐圧となります。
100V耐圧で大きな電流を流すには小電流のものをパラにするしかありません。
また、定電流ダイオードは逆電圧を阻止しないので極性は十分注意する必要があります。
トランジスタの選定により効率が大きく変わります。
・ ベース飽和電圧、コレクタ飽和電圧が小さい。
・ スイッチングスピードが速い。
・ HFEが大きく直線性が良い。
・ コレクタに直流で2A以上の電流が流せる。
・ 裸で1W程度の許容損失がある。
・ 電源電圧が低いのでコレクタ耐圧の大きくない物。
等の条件で規格表から探しました。
用途としてDC−DCコンバータ用、ストロボ用をキーワードとします。
さらに1個から容易に購入出来ることが重要です。
結果として2SC5714を購入する事が出来ました。
残念なのはチップ部品だという事です。
リード付きのパッケージならもっと良かったのですが最近の半導体はチップ形状が多くなっています。
2SC5714以外でも使えるトランジスタはあると思いますが2SC5714が入手出来そうだと判った時点で
探すのを止めてしまいました。
チップトランジスタは取り扱いに不便ですのでリード付きトランジスタに加工します。
上の写真は材料を示します。
チップトランジスタの他に変換基板と足にするリードフレームが必要です。
下の写真は加工したトランジスタです。
上の写真は巻き線材料です。
一次巻き線は0.26mmポリウレタン線をツイストしたものを24回程度巻きます。
二次巻き線は0.1mmポリウレタンを360回程度巻きます。
二次巻き線は仮に巻いて出力電圧を計り、巻き数を微調整します。
上の図はバイファイラ巻きを示します。
この方法はセンタータップの位置を間違えずに得る事が出来ます。
ツイストは密でも緩くても動作に影響は殆どありません。
上の写真は一次巻き線を巻いた状態のボビンです。
この上にカプトンテープを巻き、その上に二次巻き線を巻きます。
上の写真は完成したトランスです。
ピンを基板に半田付けしてしまうと取り外しが困難になり巻き数の調整が出来なくなります。
ピンにリード線を半田付けします。
ユニバーサル基板から実装基板を切り取ります。
片面基板はランドが剥がれやすいので両面スルーホール基板を使います。
上の写真は実装が終了したDC−DCコンバータです。
トランジスタのバイアス抵抗と波形を鈍らせるコンデンサーは簡単に交換出来るように丸ピンICソケットに
してあります。
基板サイズが小さいので一部のセラミックコンデンサーはチップ部品を基板裏に取り付けています。
お絵描きソフト(ウインドウズ95の時から使っている花子10)で箱の展開図を書き、厚紙に貼り付けて切り抜き、
折り曲げて収納箱を作ります。
箱に回路を収納します。
空中伝搬ノイズは回路的に取り除いているのですが念の為、銅テープでシールドします。
安いアルミテープでも良いのですが銅テープは半田付け出来るのでグランドプレーンにしています。
グランドに接続されるリード線が複数あるので、ここに半田付けします。
上の波形は二つのトランジスタのコレクタ波形です。
スケールは垂直1V、水平250uSでプローブはAC結合です。
発振周波数は2KHzですが周波数はコアの特性と巻き数により決まり、制御は出来ません。
2KHzは可聴周波数ですのでコアに耳を近づけるとかすかな発振音が聞こえますが受信の邪魔になる程ではありません。
調整終了後はコアの接合部をエポキシ樹脂で固めます。
ガタがあると音が大きくなります。
プローブの調整不良のような鈍った波形ですがコレクタに入れたコンデンサの為です。
波形が鈍っているということは高調波が少ないということで空中伝搬ノイズは取れています。
効率は67.9%でロイヤー回路としては、まあまあです。
(入力1.5V、185mAで9.82KΩの負荷に43Vを発生)
今回、同じ物をもう一つ作りましたが、こちらも効率65.4%で、ほぼ同じ物が出来ました。
私は、そそっかしいので保護回路を入れていますが、慎重さに自信のある方は省くことにより効率を70%程度に上げる
事が可能です。
結果が良かったのでコアを追加注文しようとしてサイトの販売リストを見たのですが、既にリストから除かれていました。
メーカー名も不明ですので、もう入手出来ません。
製作したDC−DCコンバータはサイズが小さいので内蔵できない部品があります。
またラジオ側に付ける部品もあります。
空中伝搬ノイズは小型のトランジスタラジオを近づけ問題無いことを確認しています。
問題は回路を流れるノイズです。
まずB+ですがDC−DCコンバータ出力をワイヤーで20cm程延ばし10KΩの負荷を接続しオシロをAC結合にして
ノイズを観測すると2mV〜3mV程度のリップルが見えました。
B+は真空管のプレート(出力)側に加わる事と40Vに対して2mV〜3mVですので影響は少ないと思われます。
上の結線図のように負荷側に10uFのコンデンサーを付けると完全に取れます。
ただし、あまり大容量を付けるとDC−DCコンバータの電流制限回路の意味が無くなります。
充電された電荷をヒーターで短絡すると大きな電流が流れる為です。
1MΩの抵抗は放電用です。
以前、B+に220uF位のコンデンサーを付けてしまった事があります。
電源SWをオフにして真空管を装着したのですがコンデンサーの電荷の放電経路が無いため電荷が残っていました。
この時、足を挿し間違えた為、新品の6088のヒーターを焼損しました。
回路図のLEDは電源表示灯です。
どんな小さなラジオにも必ず電源表示灯を付けるのがポリシー?ですが不要と思われる方は省けばロスが減ります。
A電源のノイズはヒーター(カソード)に加わり真空管の入力として作用するので深刻です。
オシロでコンバータの入力電圧を確認しても特にノイズは見えませんでしたが念の為インダクタと大容量のコンデンサーを
付加しています。
インダクターは直流抵抗を0.1Ω以下にします。
市販品には見当たらないので#75コアにポリウレタン線を巻いて作ります。
このコンバータの発振周波数は2KHzです。
空中伝搬ノイズは発振周波数が低いほど少なくなるのですが配線経路のノイズは周波数が低くなるほど取りにくくなります。
電池ボックスは逆挿入出来ないものを使います。
そうでない場合は保護回路を付加します。
標準4球スーパーというと1R5、1T4、1S5、3S4という構成をイメージします。
B電圧63V〜72V、B電流10mA程度を必要とします。
1.5VからB電圧を発生する場合、電池電流は結構大きくなるのでDC−DCコンバータは効率を優先していました。
回路はマイコンを利用したPWM回路を使用し、コンバータ自体で効率85%、保護回路のロスを引いても80%程度のを得て
いました。
ただ、放射ノイズが強烈でシールドに大きな労力が掛かり、製作が面倒でした。
一方、小型のラジオ用のDC−DCコンバータにはロイヤーの回路を使用しています。
省スペースで放射ノイズが小さいので小型のラジオにはメリットが有ります。
今のところ45V5mA程度が最大で効率は60%程度です。
効率は低くても電力の絶対値が小さいので何とか使えていました。
今回は65V10mAを定格とするのロイヤーの回路を考えてみました。
出力電力が3倍程度になります。
PWM制御には敵いませんが出来るだけ効率を上げる必要があります。
回路は今まで製作した小出力のロイヤー回路と基本的に同じです。
違うのはトランスのみです。
出力短絡、開放に対する保護回路は省略しています。
実際には、これを付加するので効率が5%程度落ちます。
また、一次側の電源ノイズがヒーターに回り込むと思われるので実際の使用に際しては一次側のコンデンサーの容量を大きくする
必要があります。
コアは2種類を試してみました。
1つはアミドンの外径82/100インチ(約2cm)のトロイダルコアで材質は透磁率の大きい#75材です。
一次巻き線を25回+25回(25回バイファイラ巻き)程度にすると発振周波数が2KHz程度になり効率が高くなる
ことを経験しています。
一般的な#43材のコアは安いのですが透磁率が小さいので巻き数を多くしなければならず巻き数比の大きい今回の
用途では二次巻き線の巻き数が多くなりすぎます。
#75コアは導電性があります。
UEWの絶縁だけに頼ると漏れ電流が発生して誤動作する場合があります。
私はアクリルラッカーを2回程吹き付けて絶縁しました。(素人療法ですので真似しても責任は持てません)
カプトンテープやガラスクロステープを巻いた上に一次巻き線を巻いても良いと思います。
一次巻き線の上にはカプトンテープを薄く巻き、その上に二次巻き線を巻いています。
二次巻き線を何百回も巻くのは大変な作業です。
あまり細い線ですと作業中に切りやすくなります。
もう1つは長辺の寸法が19mmのEEコアです(PC40EE19−Z)。
ボビンにコイルを巻くので作業は簡単で細い線も容易に巻けます。
前項(不明のコア...)で使用したEEコアとは品物も入手先も異なります。
寸法は殆ど同じですが、前項のコアは角に面取りがしてあり、こちらはシャープです。
こちらは安定して入手出来そうです。
二次巻き線は多めに巻き、負荷を接続して負荷電圧を測定しながら巻き数を減らして合わせ込んでいます。
トロイダルコアは巻き線スペースに余裕があったのでLED表示や負バイアス電源用の巻き線を1組追加していますが今回の
実験では使用していません。
・ コア
FT82#75
・ 一次巻き線
0.4mmUEW 25回+25回(25回バイファイラ巻き)
・ 二次巻き線
0.26mmUEW 約650回(負荷電圧で合わせ込み)
・ 二次巻き線
0.26mmUEW 100回(未使用)
・ 測定結果
・ コレクタ波形(電源電圧1.5V)
・ コレクタ波形(電源電圧1.25V)
・ コレクタ波形(電源電圧1V)
電源電圧1.5Vの時効率77%とロイヤーの回路としては良い結果が出ました。
実際の使用に際しては出力の保護回路を組み込むので5%程度の効率低下が発生します。
トランスの製作は重労働です。
・ コア
PC40EE19−Z
・ 一次巻き線
0.32mmUEW 25回+25回(25回バイファイラ巻き)
・ 二次巻き線
0.1mmUEW 約650回(負荷電圧で合わせ込み)
・ 測定結果
・ コレクタ波形(電源電圧1.5V)
・ コレクタ波形(電源電圧1.25V)
・ コレクタ波形(電源電圧1V)
このコアは初めて使うので勝手が判らす、とりあえずトロイダルコアと同じ巻き数で試してみました。
ただし、巻き線のスペースが小さいので線径は小さくなっています。
効率は少し低くなりました。
電源電圧1.5Vのときの発振周波数は1KHzでトロイダルコアの半分になりました。
発振周波数はコアの特性と巻き数により決まるので巻き数を減らして発振周波数を上げる必要がありそうです。
・ コア
PC40EE19−Z
・ 一次巻き線
0.32mmUEW 16回+16回(16回バイファイラ巻き)
・ 二次巻き線
0.12mmUEW 約430回(負荷電圧で合わせ込み)
・ 測定結果
・ コレクタ波形(電源電圧1.5V)
・ コレクタ波形(電源電圧1.25V)
・ コレクタ波形(電源電圧1V)
巻き数を減らしたので発振周波数が上がり効率も少し上がりました。
・ コア
PC40EE19−Z
・ 一次巻き線
0.4mmUEW 12回+12回(12回バイファイラ巻き)
・ 二次巻き線
0.12mmUEW 約320回(負荷電圧で合わせ込み)
・ 測定結果
・ コレクタ波形(電源電圧1.5V)
・ コレクタ波形(電源電圧1.25V)
・ コレクタ波形(電源電圧1V)
また僅かに効率が上がりましたが巻き数を減らすのは、これくらいが限度だと思います。
・ 2SC5714
トランジスタの選定により効率は大きく変わります。
規格表を眺めてこのトランジスタを選び、入手可能だった為、ある程度の数量を確保しました。
このトランジスタでなければならないと言うことはありませんが手持ちの関係でこのトランジスタを使い続けています。
ただ、チップパッケージの為、別途、変換基板とリードフレームを購入していて割高になり、手間も増えます。
出来れば2SJ377のようなリード付きの外形の品種が欲しいです。
2SC5714は性能的には用途がストロボやDC−DCコンバータ用となっていてピッタリです。
コレクタ電流20mAの時のHFEを測定したところ1000位ありました。
ダーリントン接続かと思いましたがデータシートにダーリントンの記述はありません。
ダーリントン接続にするとスイッチングスピードが遅くなり、コレクタ飽和電圧が上がるのですが、スイッチングスピードも速く
コレクタ電流1Aの時のコレクタ飽和電圧も0.1V以下です。
・ ベース抵抗
ベースバイアス抵抗は最適値があります。
実験回路では丸ピンICソケットで交換出来るようにしてあります。
2SC5714はHFEが高いので電源電圧の割には大きい値になっています。
ベース電流を多く流せば出力電圧は上がりますが、それ以上にコレクタ電流が増え効率は下がります。
・ ノイズ吸収コンデンサー
両コレクタ間のコンデンサーは波形を鈍らせ、放射ノイズを減らす働きがあります。
容量を増やせば波形の鈍りが大きくなり放射ノイズが減りますが効率が下がるのであるポイントで妥協します。
このコンデンサーも交換可能になっています。
・ 整流ダイオード
実験回路ということで何百本も手持ちのある1S955を整流ダイオードとして使いましたが耐圧がギリギリです。
負荷を解放すると出力電圧は100Vを超え、ケミコンとダイオードの耐圧を超えます。
実際に使用するときは出力開放と短絡に対する保護回路を付加します。(前項の回路参照)
ダイオードは200V1A程度のファーストリカバリダイオードにした方が安全です。
VFも1S955より小さく効率も僅かに上がります。
DC−DCコンバータに小型のトランジスタラジオを密着させると少し放射ノイズの影響を受けます。
ただし、PWM回路に比べたら遥かに小さく、簡単にシールド出来ると思います。
回路的に、さらにノイズを小さくすることは可能ですが効率との兼ね合いです。
標準4球スーパーでは筐体もある程度の大きさになるのでDC−DCコンバータをバーアンテナから少し離れた位置に配置できる
事も有利に働きます。
また、ヒーター電源とDC−DCコンバータ電源が共通ですので、回路経由でノイズが回り込む可能性もあります。
この為、1.5Vラインには大容量のコンデンサーを追加する必要があります。
もう一つのノイズとしてコアの機械的な振動があります。
この回路ではDC−DCコンバータの発振周波数が2KHz程度の可聴周波数となります。
従って、コアが振動して音がでます。
受信中は全く気になりませんが局間やボリュームを0に絞ると微かに聞こえます。
音は小さく、他のノイズの用に受信音声を混変調するような耳障りなノイズでありません。
EEコアの場合、完成後にしっかり張り合わせないと少し音が大きくなります。
終段に出力管を使った標準的な4球スーパーはラジオ少年の2種類のキットを持っています。
これらは現在PWM制御のDC−DCコンバータが組み込まれています。
ヒーターとDC−DCコンバータの合計電流は815mAと720mAです。
単1電池2本パラで動作時間は30時間〜35時間程度です。
今回の回路では860mA〜980mA程度で動作時間は20時間〜25時間程度と思われます。
上記の試作コンバータを実際に使用してみます。
といっても、現在、制作中のラジオは無いので、ラジオ少年のキットの内、電流720mAの4S−DCのPWMコンバータを
置き換えます。
4S−DC−DXのPWMコンバータはノイズレベルが小さいので、そのまま使い続けます。
4S−DCのコンバータも受信に支障があるほどノイズが大きい訳ではないのですが、若干、気になります。
回路図をクリックすると拡大表示されます。
拡大図から本文に戻るにはブラウザの←戻る釦を使用してください。
回路は基本的に試作回路と同じですが負荷を解放したときの過電圧、負荷を短絡したときの過電流に対する保護回路を付加して
あります。
定電流ダイオードは実際の回路電流の2倍以上の容量にします。
回路図では出力短絡電流は20mA位になります。
余裕が小さいと定常時の電圧降下が大きくなり、効率が下がります。
尚、100V耐圧のCRDで最も電流値が大きいのは5.6mAのものです。
これ以上の電流値のCRDは耐圧30Vとなります。
その為、5.6mAのものを並列に接続しています。
CRDの電圧低下で変換効率は77%から73%に低下しました。
トランスは試作実験で使用したトロイダルコアのものを、そのまま使用しました。
このトランスは製作に半日掛かっているので、労力を無駄にしたく無かったのです。
また、出力巻き線をもう1組巻いてあったので電源表示灯の点灯に使用しています。
巻き数は適当に巻いたので記録してありませんが70〜100回程度だと思います。
実際に使用して電圧が少々低かったのでショットキダイオードブリッジにしています。
この巻き線を利用して出力管のバイアス電圧を作ればバイアス抵抗による電圧ロスを無くす事が出来るのですが若干、危険を
伴うので止めました。
トロイダルコアの1つは変換トランスで、もう1つはフィルターコイルです。
製作したDC−DCコンバータを銅テープでシールドしラジオに取り付けました。
体積は以前のPWMコンバータの1/2程度になりました。
ノイズは殆ど聞こえなくなりました。
電源電流は電池電圧1.5Vの時740mA(ヒーター電流含む)でした。
750Ωのバイアス抵抗の電圧が−6.6VでしたのでB電流は8.8mAということになります。
以前のPWMコンバータの時の電源電流が720mA位でしたので、それ程増えてはいません。
新品のアルカリ単1電池1本では12時間程度の動作時間となります。
単1電池2本パラにしているので動作時間は2倍以上となり、30時間程度と思われます。
自作の電池管ラジオは最近全て1.5V単電源になっています。
以前、2電源で製作したラジオも単電源に改造しています。
最終的に電源電圧と消費電流や音量の関係を確認するのにCVCC電源を使用します。
メーカー製の0〜18V、1.8A電源を使用し、0.8V〜1.5Vの狭い調整範囲ですが微調整VRがあるので設定
は容易です。
ただ、慌ててVRを回しすぎて1.5V以上にしてしまう事があります。
せいぜい1.7V位で、すぐ気付くので被害は出ていませんが、安全の為、過電圧保護回路を製作しました。
本来は0〜1.5Vの調整専用の定電圧電源を製作すれば良いのですが、低い電圧を精密に出力する回路は結構、面倒だったり
します。
安易に作ると電源の入力や遮断の瞬間にオーバーシュートが出やすいので注意する必要があります。
電源製作は諦め簡単で確実な方法を選んだということです。
使い方はCVCC電源と負荷の中間に接続してCVCC電源の出力電圧が設定値を超えたら負荷への出力を遮断する
ものです。
挿入ロス(電圧降下)が負荷電流650mAの時、約15mV、回路自体の消費電流が3mA程度のものです。
回路図をクリックすると拡大表示されます。
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回路は基準電圧と入力電圧を比較し、入力電圧が高くなったら出力を遮断します。
バイアスを深くし、MOSのチャンネル抵抗を低くするために負電圧を発生させています。
遮断電圧の設定は20回転のトリマで正確に設定可能ですがヒステリシスや温度変化、設定誤差を考慮し0.1V位の余裕を
見ます。
遮断後の回路自体の耐電圧は、せいぜい5V程度ですので、順方向の入力にはダイオード3本を直列に入れて有ります。
従って、1.8V位からダイオードに電流が流れ始め、2.5V位で回路は短絡状態になります。
これは供給側のCVCC電源が定電流動作になるだけで問題はありません。
電源の逆接続もダイオード1本でクランプしています。
ダイオードは1A定格のものを使っているのでCC値は1A以内に設定します。
私の単電源ラジオで最も電流が流れるものは1.5V、815mAのものです。
尚、出力とラジオ電源の逆接続ですが、私のラジオには逆クランプ用のダイオードが入っているので、こちらもCVCC電源が
保護します。
出力端子を短絡させた場合もCVCC電源のCC値により保護されます。
電圧降下を少しでも減らす為にリード線は2sqの太さにし、基板内で電流が流れる経路は1φのスズメッキ線で配線して
あります。
一般的に使用される0.5sq程度のビニル電線を使うと、これだけで20mV位は電圧が落ちます。
上のデータは負荷に2.22Ωの抵抗をラジオの代わりに接続した時のものです。
入力電圧1.5Vの時、負荷に668mAの電流が流れています。
遮断電圧は1.52V〜1.53Vに設定しています。
グラフはデータの内、負荷電圧を入力電圧で割ったものを示しています。
全く同じであれば1になりますが、この場合、0.7V〜1.52Vで15mV位の電圧降下があります。
この電圧降下は単1電池ボックスの−電極のコイルバネの電圧降下の半分程度です。
実際にラジオに接続してみましたが問題はありませんでした。
今まで20台以上の電池管ラジオを製作し、その多くにDC−DCコンバータを載せています。
最初の頃は試行錯誤で試作を繰り返しましたが最近では一発で目的の電源に近い物が出来るようになりました。
ここでは再現性のある電源回路を記録しておきます。
一般的に電池管ラジオのB電源は9V電池や12V電池を直列接続している例が多いのですが私は最初からDC−DCコンバータ
を使用しています。
ただし、最初はヒーター電池とDC−DCコンバータの電池は別でした。
DC−DCコンバータの電池は単3電池4本〜6本、ヒーター電池は単1電池1本を使用していました。
その後、2種類の電池を管理するのが煩わしくなり、DC−DCコンバータの電源を1.5Vにし、ヒーター電源と共用し
ました。
現在、手元にあるラジオは殆ど単電源で最小のものは単3電池1本、最大の物は単1電池2本(パラ)です。
動作時間は15時間以上あります。
DC−DCコンバータの回路方式としてはマイコンによるPWM制御、他励式のコンバータとロイヤーの回路の2種類を試して
います。
PWM制御
発振はマイコンのPWMによる他励発振です。
1.5Vではマイコンが動作しないので補助電源で3.3Vに昇圧しています。
3.3Vはマイコンの電源のみでトランスの1次巻き線は1.5Vを開閉しています。
メリットは発振周波数を任意に設定出来ることで、20KHz以上に設定すれば可聴周波数を外れるのでヒーター回路に
回り込んでもノイズにならない事があります。
トランス自体の発振音も聞こえません。
効率が高く80%以上が可能です。
欠点として回路が複雑で寸法が大きくなることがあります。
最大の欠点は空中伝搬ノイズが大きくシールドに手間やコストが掛かることです。
ソフトを組み込む必要もあります。
ロイヤーの回路
自励発振で発振周波数は回路、使用部品により決まり制御出来ません。
周波数は可聴周波数になるためヒーターに回り込むと使い物になりません。
ヒーター回路に大容量のコンデンサーを入れる等の対策が必要です。
B電圧は出力側に接続されるので多少のノイズは軽減されますが、直熱管ではヒーター電圧は入力側に接続される為
ノイズが乗ると悲惨な結果になります。
トランス自体も機械的な振動による発振音を発生する事があります。
最大のメリットは空中伝搬ノイズが少ない事です。
部品数も少なく小さく出来るのでシールドも簡単です。
最初、効率が低かったのですが、回路定数やトランジスタを選別することにより70%程度になっています。
最近は製作が簡単なロイヤーの回路を使用する事が多く、ここでの回路例もロイヤーの回路を使用したものです。
トランスの出来具合により効率は大きく変わります。
従って、各種のトランスを試しています。
珪素鋼板
素人には材料が入手出来ません。
市販の小型トランスを分解して巻き直しました。
巻き直しはボビンに巻くため簡単ですが鉄心の分解と再組み立てが非常に面倒です。
巻き数の微調整は困難です。
結果も良くなく見込み無しと判断しました。
EEコア、EIコア
EEコアもEIコアも同じように使えますが後で接着する事を考えるとEIコアの方が使い易いと思います。
コイルをボビンに巻くことが出来るので楽に巻けますがトランスとして仕上げるのは、それなりに面倒です。
負荷を接続して動作試験をした後に巻き数を微調整する場合はトロイダルコアより面倒です。
品種やデータに関する情報が得られず入手が大変です。
上の写真で磁路が太いコアは巻き線スペースが小さくて使えません。
1.5Vから数十Vを発生するため2次巻き線の巻き数が多くなる為です。
写真はEIコアですがEEコアもスペースが広い物と狭い物があります。
問題は殆どのコアがスペースが狭く、入手をさらに困難にしています。
可聴周波数での発振音(機械的振動音)はトロイダルコアより大きくなりやすいです。
トロイダルコア
コイルを巻くのが大変です。
巻き線のスペースはEIコア、EEコアより確保し易いです。
品種やサイズが豊富で参考書もあり、安価で入手も容易です。
巻き直して再利用する事も容易でアマチュア的な材料です。
ここではトロイダルコアを使用してトランスを作ります。
写真は使用したFT−50#75コアです。
少ない1次巻き線の巻き数で動作させるため、透磁率の大きいコアを使います。
後で45V4.5mA、45V7.5mA、60V10mAの3種類の回路例を示しますがコアと1次巻き線までは全く同じ
です。
前処理
#75フェライトは導電性があるので絶縁します。
ウレタン線の皮膜による絶縁だけで十分な気がしますが漏れ電流による誤動作を経験しています。
ここではアクリルラッカーを3回程、吹き付けました。
1次巻き線
0.32φのウレタン線を12回+12回巻きます。(12回バイファイラ巻き)
出力電圧により巻き数比は一定の値になります。
1次巻き線の巻き数を減らすことが出来れば相対的に2次巻き線の巻き数が減り、製作が楽になります。
巻き線終了後アクリルラッカーを吹き付けコアに固めると機械振動音が軽減されます。
2次巻き線との絶縁の意味もあるのでムラなく複数回塗布します。
2次巻き線
2次巻き線を0.12mmウレタン線で巻きます。
巻き数は45V出力のものが200回、60V出力のものが300回です。
これくらいの巻き数ならスペース的にも余裕があり、楽に巻けます。
少し多めに巻いて動作させ(定格負荷接続)少し巻き戻して出力電圧を調整します。
トランジスタの選定により効率は大きく変化します。
SW用トランジスタで耐圧の低い物を選びます。
耐圧の高いトランジスタはチャンネル抵抗が大きくなり、効率が下がります。
電源電圧が1.5Vですのでコレクタ耐圧、ベース耐圧共5Vもあれば十分です。
用途で「ストロボ用」と書かれた品種が狙い目です。
写真は左から2SC1815、2SC5720、2SC5714、変換基板に実装した2SC5714です。
2SC1815は寸法比較のために並べたもので全く使えません。
2SC5714、5720は同じ様に使えると思います。
2SC5720はコレクタ電流5A、2SC5714は4A流せます。
許容損失は2SC5720が550mW、2SC5714が1Wですが、スイッチング動作で使う限り十分です。
後で紹介する60V10mAの電源は出力を短絡すると1Aの電源電流が流れます。
この時のコレクタ飽和電圧は2SC5714でも2SC5720でも0.1V以下になります。
0.1V×1Aで損失は0.1Wとなり、これを2つのトランジスタで分担するので0.05Wとなります。
動作周波数も低いので過渡損失も問題になりません。
参考までに2つのデータPDFにリンクを貼ります。(別頁で開きます)
2SC5714.PDF
2SC5720.PDF
特に2SC5720はリード付きのパッケージで実装が楽ですが、残念ながら保守品種です。
2SC5714、2SC5720は偶々入手出来た品種で探せば他にも見つかると思います。
これは45V4.5mAを定格出力として製作したものです。
出力に5678等の電圧増幅管を使用した3〜4球スーパーの電源として考えました。
トランジスタは2SC5720を初めて使いましたが問題なく使用出来ました。
入力側のチョークコイルは発振ノイズがヒーターに回り込むのを防ぐ為の気分的なものでFT−50#75コアに0.4mm
ウレタン線を巻いています。
抵抗成分が電源スイッチの接点保護にもなっています。
動作例
* 電源電圧: 1.5V
* 電源電流: 218mA
* 負荷抵抗: 9.82KΩ
* 負荷電圧: 47.6V
* 負荷電流: 4.85mA
* 変換効率: 70.6%
コレクタ波形
(画像をクリックすると原寸表示し、戻るにはブラウザの「戻る」釦で戻ってください。)
コレクタには電源電圧の2倍(3V)の電圧が掛かります。
発振周波数は5.5KHz程度でロイヤーの回路としては比較的高めです。
波形にオーバーシュートが少なく、経験的に空中伝搬ノイズが少ない事が分かっています。
簡単な シールドで実用になると思います。
比較の為、空中伝搬ノイズが大きいPWMコンバータのコレクタ波形を下に示します。
波形に強いオーバーシュートが出ていて、このタイミングで強いノイズが放射されます。
これは45V7.5mAを定格出力として製作しました。
スピーカー駆動に5672等の出力管を使用した3〜4球スーパーの電源として考えました。
トランスは上の製作例1と全く同じです。
トランジスタは2SC5714になっていますが2SC5720でも変わらないと思います。
コレクタ電流が増えるのでベースバイアス抵抗の値を低くしています。
効率を下げない為にはコレクタ電流に合わせてベースバイアス抵抗を最適化する必要があります。
抵抗は交換できるように丸ピンICソケットに装着しています。
動作例
* 電源電圧: 1.5V
* 電源電流: 331mA
* 負荷抵抗: 6.00KΩ
* 負荷電圧: 45.7V
* 負荷電流: 7.62mA
* 変換効率: 70.1%
コレクタ波形
(画像をクリックすると原寸表示し、戻るにはブラウザの「戻る」釦で戻ってください。)
60V10mAを定格出力として製作しました。
出力に3S4等を使用した4球スーパーの電源として考えました。
トランスのコアと1次巻き線は共通ですが2次巻き線は200回から300回に変更されています。
トランジスタは2SC5720でも問題ありません。
LED表示灯用の巻き線を追加しています。
チョークコイルはFT−50#75コアを2個重ね、巻き線は0.26mmUEWを5本重ねて巻いています。
動作例
* 電源電圧: 1.5V
* 電源電流: 580mA
* 負荷抵抗: 6.00KΩ
* 負荷電圧: 61.2V
* 負荷電流: 10.2mA
* 変換効率: 71.8%
コレクタ波形
(画像をクリックすると原寸表示し、戻るにはブラウザの「戻る」釦で戻ってください。)
これは出力管5672クラスのラジオ用のAC電源です。
B電源は45V7mA程度を予定しています。
A電源は1.4V300mA程度を予定しています。
3S2でも使えると思います。
B電圧が低いですが室内で聞くには十分な音量が得られると思います。
電池の様に電圧が下がる心配はありません。
実際にラジオに組み込んではいませんが回路を組んで動作は確認しています。
回路図をクリックすると拡大表示されます。
拡大図から本文に戻るにはブラウザの←戻る釦を使用してください。
A電源、B電源共短絡保護と負荷を解放した時の過電圧保護を付けてあります。
A電源はロイヤーの回路で電圧を下げ、電流を上げています。
発振トランスはFT82#75コアに一次側0.26φウレタン線175回+175回バイファイラ巻き。
二次側は0.4φウレタン線、巻き数は電圧を計りながら合わせ込みます。
0.3A程度の負荷の時1.3V〜1.4Vになるよう巻き数を調整します。
電圧が1.5V以上にならないように1KΩのVRを調整します。
B電源は巻き線電圧15Vでは低い様に感じますが、15Vは定格負荷の時の値で、軽負荷の時は上がります。
(小型のトランスはレギュレーションが悪い。)
標準的な1R5、1T4、1S5、3S4クラスのラジオのB電源用のDC/DCコンバータは既に製作記事を
UPしています。
このコンバーターを組み込んだラジオは電池が新しい時、ボリュームを絞らなければうるさい音量になります。
ここでは回路の再現性と一部波形の取得、負荷短絡時の回路動作とトランジスタへの影響等を確認する為に再度、一から
製作してみます。
今回は実験ということで寸法にこだわらず、ゆったりと製作しました。
出力電圧、電流を65V10mAとします。
前回、製作したコンバータを組み込んだラジオのB電流は8.8mAでした。
前回、効率は70%を超えましたが、今回、65%を超えれば再現性有りとします。
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一次巻き線 | 二次巻き線 |
鉄心に何を使うかですが、最近は迷わずにフェライトコアを使っています。
今回は寸法に余裕のある82/100インチのコアを使いました。
材質は最も透磁率の大きい#75コアを使います。
透磁率が大きければ巻き数が少なくて済みます。
#75コアは導電体ですので最初に絶縁します。
私は透明アクリルラッカーのスプレーを使いましたが、もっと適したものがあるはずです。
ムラがあるので2回塗ります。
最初に一次巻き線を巻きます。
写真は0.4mmウレタン線を12回バイファイラ巻きにしてあります。
バイファイラ巻きにすればバランス良く確実にセンタータップが取れます。
出来るだけ均等に巻かないと効率が落ちます。
巻いたらアクリルラッカーで固めます。
機械的な振動音が軽減されます。
今回はコアの寸法に余裕があったのでカプトンテープを巻いて絶縁し、その上に二次巻き線を巻きました。
二次巻き線は多量にある0.26mmのウレタン線を使いましたが、もっと細い線で大丈夫です。
50/100インチのコアを使う場合は0.1mm程度の線を使う場合もありますが、細いと切れやすく
巻きにくいので今回は0.16〜0.2mm位が適当だと思います。
整流に両波倍電圧回路を使うので巻き数が半分で済み、絶縁電圧の面でも有利です。
一次巻き線が12回+12回ですので二次巻き線は300回位になりますが多めに巻いて巻き戻し、微調整します。
二次巻き線は綺麗に巻けていませんが、この程度で問題ありません。
この巻き線で問題なく動作しましたが、実際には2倍の24回+24回のものを使いました。
二次巻き線も2倍の600回程度巻かなければなりませんが効率が若干上がりました。
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トランジスタ | 放熱 |
トランジスタに何を使用するかは重要で結果に大きな差が出ます。
結論から言えばストロボ用を選べば間違いありません。
ストロボ用は小〜中パワートランジスタで
・ 比較的コレクタ耐圧が小さい。
・ 小さなパッケージ2A〜10Aの電流が流せる
・ コレクタ飽和電圧が小さい(1Aで0.1V以下)
等の特徴があります。
今回は手持ちの2SC5714を使用しました。
これはチップ部品ですので変換基板とリードフレームで使い易い形状にします。
電源電圧が1.5Vですので素子の耐圧は問題になりません。
コレクタ電流は最大4Aですので、これも問題はありません。
問題は許容損失ですが正常に動作しているときは仮に0.7Aの電流を流してもコレクタ飽和電圧が0.1V以下、
デューティーが1/2ですので損失は50mW以下になり全く問題ありません。
問題は調整中に誤って出力を短絡した場合、もし発振が止まればコレクタエミッタ間に1.3V程度の電圧が加わります。
電流はベース抵抗により決まります。
完成後の実験では1.3W程度の損失が発生する事が判りました。
1石あたり650mWでかなり厳しい値です。
連続的に出力を短絡するのは無理としても短時間の出力短絡に耐えるように少し放熱をしました。
変換基板は両面でパターンが異なり、写真の左側の面のみ使用します。
使用しない面には全面に銅テープを貼り、コレクタに接続しました。
尚、2つのトランジスタのHFEは揃っている必要があります。
今回、IC=20mAで測定しましたが、同一テープ内では良く揃っていて1000程度と高い値でした。
コレクタ電流はベース抵抗で調整出来るのでHFEの値は問いませんが、あまり低いと損失になるので200程度は
欲しいと思います。
両波倍電圧整流ですので二次巻き線には32.5Vが発生し、ダイオードには2倍の65Vの逆電圧が掛かります。
耐圧100V〜200Vのファーストリカバリーダイオードを使えば良いと思います。
ショットキダイオードも耐圧100VともなるとVFが大きくなります。
商用波を整流する一般的なダイオードを使うと過渡損失で効率が下がります。
電流値は定格ギリギリのものを使うとVFが大きくなるので1A程度のものを使います。
回路図をクリックすると拡大表示されます。
拡大図から本文に戻るにはブラウザの←戻る釦を使用してください。
出力側には負荷解放時の過電圧保護回路と負荷(ラジオ)に対する過電流保護回路が内蔵されています。
ただし、過電流保護は電源自体の保護にならない場合があります。
例えば、出力を短絡した時、発振が止まります。
この状態で長時間放置するとトランジスタが発熱し壊れる可能性があります。(短時間には耐えます。)
前回、定電流ダイオード4本をパラ接続しましたが今回は3本パラです。
理由は出力を短絡した時のストレスを低減する為ですが効率は少し下がります。
過電圧防止回路は出力を開放したとき出力電圧が上昇するのを防ぎます。
ベース抵抗を低くするとコレクタ電流が増え出力電圧が上がります。
出力電圧を調整するのに巻き数の増減とベース抵抗の増減の2つの手段があります。
従って調整は面倒です。
ベース抵抗は簡単に交換出来るように丸ピンICソケットに実装します。
二次巻き線も巻き戻した時、短く切り詰めないで長く伸ばした仮配線で裏面で半田付けします。
巻き戻した二次巻き線を再び巻き足す場合がある為です。
C10の4.7uFは波形を鈍らせてノイズを減らすのですが効率とノイズのバランスを取るための最適値があります。
こちらもICソケットで交換できるようにします。
今回はトランジスタ自体もICソケットで交換出来るようしてあります。
実験中に壊した場合の交換を考えました。
調整は面倒でキリがないので大体のところで良しとしました。
入力は電池ではなくCVCC電源を使用しました。
電源電圧 1.495V
ダミー負荷 6430Ω
電源電流 659mA
負荷電圧 66.2V
負荷電流 10.3mA
効率 69.2%
結果は最初に決めた仕様を満たしています。
負荷を短絡すると発振が停止することが判りました。
上の方で述べたようにトランジスタのコレクタに1.3V程度の電圧が掛かり、ベース抵抗1KΩでは1A程度の
コレクタ電流が流れます。
1.3V×1A=1.3Wの損失があり、トランジスタ1個あたり650mWです。
2SC5714はDCで4A流せるので短時間の短絡には耐えますが長時間では発熱でダメージを受ける可能性があります。
完成後は勿論、実験中でも長時間の短絡は、まずないので問題なしとします。
効率が前回より若干、低くなっていますが、これは定電流ダイオードを4本パラ→3本パラに減らした影響だと思います。
定電流ダイオードはA電源とB電源をショートしたとき電池管のヒーターを保護する為に入れたのですが、実際には
定電流に達する前に発振が止まってしまいました。
発振が止まれば負荷電流は流れなくなります。
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1.5V C無 | 1.0V C無 |
この波形は両コレクタ間に4.7uFのコンデンサーを入れてない状態のもので上記<製作結果>の効率より高くなります。
ただしトランジスタがオフした瞬間に放出されるエネルギーが空中伝搬ノイズとなります。
波形の切り替わり時のオーバーシュートでノイズの程度が予想できるのですが今回は幅が狭くてオシロで確認しにくくなって
います、
時間軸を拡大すれば確認出来ます。(後で拡大表示します。)
発振周波数は回路定数、トランス、電源電圧によって決まり制御は出来ません。
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1.5V C有 | 1.0V C有 |
この波形は両トランジスタ間にノイズを吸収するコンデンサー(4.7uF)を挿入したものです。
上記<実験結果>で示した数値データは、この状態で測定したものです。
空中伝搬ノイズは減りますが波形が鈍ることによるリップルノイズが発生します。
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1.5V C無 | 1.0V C無 |
上の写真は両コレクタ波形を重ねて表示したものです。
4.7uFの無い状態では波形が綺麗に重なりリップルノイズは発生しません。
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1.5V C有 | 1.0V C有 |
これは空中伝搬ノイズを減らす為に波形を鈍らせたものです。
波形を重ねると谷の部分が出来て、これが電源リップルノイズとなります。
電池管では直接ヒーターにノイズが入力されます。
電源電流は大きいので吸収するには大容量の電解コンデンサーが必要になります。
また、発振周波数が低い程、大容量が必要になります。
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1.5V C無拡大 | 1.5V C有拡大 |
時間軸を拡大して波形の切り替わり部分を見るとオーバーシュートが確認できます。
エネルギーは小さそうですのでシールドだけで対処出来るかもしれません。
4.7uFをつければ取れます。
ノイズは
1 空中伝搬ノイズ
2 電源リップル
3 機械的振動
の3種類があります。
空中伝搬ノイズはトランジスタがオフした時、電力の一部が空中に放射され発生します。
電源リップルは空中伝搬ノイズの対策をすると発生します。
電池管では電源リップルがヒーターに入り入力信号となります。
空中伝搬ノイズ対策をを回路的に行うのは最小限にしてシールドを併用します。
発振周波数が可聴周波数領域にあるので機械的振動音はどうしても発生します。
接合面やボビンの無いトロイダルコアは有利です。
一次巻き線はコアに塗料で固めておきます。
シールド箱に入れれば影響の無いレベルに抑える事が出来ます。
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1.5V 負荷端 | 1.5V 入力端 |
リップルノイズは出力と入力の2個所で観察しました。
何れも残留ノイズレベルです。
今までの記述で製作した電源が十分に使える事が確認出来たのですが、さらに微調整をしてみました。
ベース抵抗を1KΩから1.5KΩに増やし、コレクタ電流を減らしてみました。
ノイズ取りのコンデンサーは4.7uFから1uFに減らしました。
トランスの巻き数は変えていません。
電源電圧 1.498V
ダミー負荷 6430Ω
電源電流 614mA
負荷電圧 65.3V
負荷電流 10.2mA
効率 72.1%
負荷電圧、負荷電流は仕様を満たしていて効率は72%に達しています。
Cを減らしたのでオーバーシュートは少し増えていますが、シールドで対処出来ると判断しました。
ベース抵抗1.5KΩで負荷抵抗を4.95KΩまで下げると負荷電圧は57.1Vまで下がります。
この辺が限界で、これ以上負荷が重くなると起動出来ません。
実際のラジオは65Vで9mA程度と軽負荷ですので問題ありません。
トランジスタのHFEが低い場合はベース抵抗の値を下げます。
電池管ラジオの電源としては1.5KΩで問題なく使えます。