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最近、1.5VのDC/DCコンバーターを試しています。
ラジオとしては以前作成したものの電源部のみ改造すれば済むのですが一旦作ったものを改造するよりラジオも新規に
製作した方が製作意欲が高まるので新規に製作しました。
ラジオとしては出来るだけ省エネを考慮すると同時に周波数変換に独自の方法を試してみました。
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1.5VのDC/DCコンバータを試す為に製作したラジオです。
電源電流はヒーターとDC/DCの電流の合計となり大きな値となります。
電池の持ちを考え、電池は単1電池を使って、ゆったりと作ることにしました。
さらに省エネを考え、SF管を使うことにしました。
最初、1R5−SF、1S5−SF、1T4−SFの3球構成を考えたのですが1T4−SFしか手に入りませんでした。
結果的に1T4−SFを4本使う事になりました。
1R5は、それ自身にAGCが掛けられるので中間周波段のAGCを省く事が出来るのですが5極管コンバータにはAGCが
掛けられないので中間周波段にAGCを掛けたくなります。
レフレックスとAGCを同時に中間周波段に加えた時のトラブルを経験しているので、レフレックスを止めて4球構成と
しました。
検波はシリコンショットキダイオードです。
セラミックコンデンサーは全て50V耐圧ですので48Vのツェナーダイオードを入れました。
周波数変換は局発に同調周波数を注入するような回路ですが今の所、良好に動作しています。
バーアンテナ
ラジオ少年より購入したものですがバリコンとの同調周波数の関係で少し巻き戻しています。
逆に二次巻き線は2〜3倍に巻き直しています。(適当)
バリコン
これもラジオ少年から購入した親子バリコンです。
回路図には書かれていませんが親側に10PF、子側に3PFのコンデンサーをパラに入れています。
周波数の可変範囲が少し広すぎた為です。
OSCコイル
市販の10mm角のものを巻き直しました。
二次巻き線は0.06mmのUEWを30回、同調コイルはGNDから中間タップまで30回です。
GNDから巻き終わりまでの回数はインダクタンスを合わせ込んだので数えていません。
外側の可動コアを外した状態で140UH程度にしました。
IFT
これも市販の10mm角のもので、無改造です。
二次巻き線を使っていないのでコアの色は何でも良いと思いますが二次巻き線を使う場合は黒色コアのものを購入するのが
良いと思います。
低周波チョーク
ラジオ少年のBT−CH−9です。
ST−30より大きいですが安価です。
出力トランス
ラジオ少年のBT−OUT−1Sです。
シャーシ
1mmアルミ板を加工しました。
補強とケースへの固定に10×10×1.2mmのアルミアングルを組み合わせています。
ケース
ホームセンターで売られているパーツケースです。
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DC/DCコンバータは以前、「電池管ラジオB電源」の頁で説明した回路と基本的に同じです。
ただし、実際の使用に際し各種の保護回路が付加されています。
「電池管ラジオB電源」の頁ではノイズが強烈でラジオの電源としては使えないと書きましたが今回は寸法に余裕のある
ケースに収納するのでノイズ対策をして使用に耐えるものを作りました。
この回路の特徴は高い変換効率です。
1.25V入力で8.2KΩ負荷の時、負荷電圧は42V(負荷電流≒5mA)で単体では効率85%に達します。
1.5V入力の時は負荷電圧52Vとなり効率は、さらに上がります。
実際の回路では保護回路や電源表示のLEDにより、若干、効率は下がりますが、それでも75%はあると思います。
入力側は電池逆接続防止回路を付けました。
駆動用のNMOSは逆電圧が加わると寄生ダイオードが短絡する為です。
特に、調整中は電池ではなく、CVCC電源を使うので焦ると逆接続する可能性があります。
過電流は1Aのヒューズで保護します。
出力側は無負荷にすると高電圧が発生するので定電圧ダイオードでクランプします。
出力を短絡したときの保護に定電流ダイオードを入れています。
短絡電流は16mA程度でラジオに流れる最大電流の3倍程度にしてあります。
ぎりぎりの電流値にすると電圧降下が大きくなります。
短絡電流はヒーター電流の25mAより小さいので調整中にA電源とB電源を短絡した場合でもヒーター焼損を防ぎます。
回路はPICマイコンのPWMユニットの相補出力でMOSFETをドライブしています。
発振周波数は50KHzでオンオフの切り換え時に短絡電流が流れないように休止時間を挿入しています。
PICマイコンは電池1本では動作しないので補助電源により3.3Vに昇圧しています。
電池電圧を監視し、1V以下になったら電源表示灯を点滅します。
アルカリ電池の場合は使いきって構わないですがニッケル水素電池の時は過放電で電池を痛めるので、この時点で外して
充電します。
CPUはPIC12F1822でコンパイラはMikroCです。
CPUは内蔵ハードウエアにデータを書き込んでスタートさせた後は電池電圧の監視のみを行います。
約1秒間に32回、電池電圧の計測を行い、32回の平均値が1V以下の時は電源表示灯を点滅させます。
/////////////////////////////////////////////// // 電池管ラジオB電源 global.h // // (1.5V電源) // // 2018/03/15 PIC12F1822 MikroC Ver4.60 // /////////////////////////////////////////////// #ifndef _GLOBAL_H #define _GLOBAL_H ///// 型の短縮名称 typedef unsigned char uchar; typedef unsigned int uint; typedef unsigned long ulong; ///// A/d typedef union{ int adw; char adb[2]; }ADDATA; extern ADDATA addata; extern int btvb; extern uchar adf; extern void ad_init(void); extern void bt_volt(void); #endif /////////////////////////////////////////////// // 電池管ラジオB電源 adconv.c // // (1.5V電源) // // 2018/03/15 PIC12F1822 MikroC Ver4.60 // /////////////////////////////////////////////// #include "global.h" ADDATA addata; int btvb; //電池電圧 uchar ad_cnt; //AD変換回数 uchar adf; //AD完了 uint adbuffb; //演算バッファ void ad_init(void){ ad_cnt = 0; adf = 0; adbuffb = 0; ANSELA = 0x1; //AN0 FVRCON = 0x82; //A/D REFF = 2.048 ADCON1 = 0xd3; //右詰め、Fosc/16, FVR } int ad_conv(uchar ch){ ADCON0 = ch << 2; //ch set ADCON0.ADON = 1; //A/D使用 Delay_ms(1); ADCON0.GO = 1; //A/D START while(ADCON0.GO); addata.adb[0] = ADRESL; addata.adb[1] = ADRESH; return addata.adw; } void bt_volt(void){ adbuffb += ad_conv(0); ad_cnt++; if(ad_cnt == 32){ //32回の平均 btvb = 2 * (adbuffb >> 5); //2mVx分圧比/32 adbuffb = 0; ad_cnt = 0; adf = 1; } } /////////////////////////////////////////////// // 電池管ラジオB電源 radps1r5.c // // (1.5V電源) // // 2018/03/15 PIC12F1822 MikroC Ver4.60 // /////////////////////////////////////////////// // CLOCK 8MHz // Oscillator INTOSC, Watchdog controlled by SWDTEN bit, Power-up Timer ON, // MCLR Pin OFF, Code Protection OFF, Data Protection OFF, // Brown-out Reset ON, Clock Out OFF, Int/Ext Switchover OFF, // Fail-safe Clock Monitor OFF, F-Memory Self W-protection OFF, Pll OFF // Stack Of/Uf Reset ON, Brown-out Reset 2.5V, Debug OFF, LVP OFF #include "global.h" void main(){ uchar ledf = 0; OSCCON = 0x73; //内部 8MHz OPTION_REG = 0xf; //タイマー0関連ダミー APFCON = 0x3; //ALTERNATE CCP LATA = 0x0; //出力 OFF TRISA = 0x9; //RA0,RA3入力 WPUA = 0; //プルアップしない WDTCON = 0xf; //ウオッチドッグ128mS ad_init(); //AD init asm CLRWDT; //WDT CLR CCP1CON = 0x8c; //PWM ACTIVE H PR2 = 39; //サイクルタイム(39+1) x 0.5u = 20uS CCPR1L = 20; //デューティー 20 x 0.5uS をセット T2CON = 0x4; //T2 ON プリスケーラー無し PWM1CON = 1; //ディレーをセット while(1){ asm CLRWDT; //WDT CLR bt_volt(); //電池電圧計測 if(adf){ if(btvb < 955) ledf = ~ledf; //0.955V+αで点滅 else ledf = 0xff; //それ以上で連続点灯 adf = 0; } if(ledf) LATA.B2 = 1; //LED ON else LATA.B2 = 0; //LED OFF Delay_ms(20); } }
写真は製作したDC/DCコンバータです。
発振用のトランス(#43コア)、補助電源用のコア(100UH:#43コア)、電源フィルタ(10mH:#75コア)、
を使っています。
電源フィルタは0.26mmUEWを4本パラにして巻いています。
上の写真はケースにしたトランスの空き箱です。
箱は内部に一重、外部に二重に銅テープを貼ってあります。
実装時には、さらに外側に絶縁テープを貼り、その上にアルミテープを貼りました。
発生するノイズは強烈ですので厳重にシールドします。
DC/DCコンバータの電源供給口には簡単なコモンモードフィルタを付けました。
FT50−#43とFT−50#72コアに電源ケーブルを各々2回巻いて直列にしたものです。
こんな簡単な物でも少しの効果はありました。
この部品は回路図には書かれていません。
ラジオ外観 | ラジオ内部 |
ケースはホームセンターで380円で売られていたパーツケースです。
扉に貼られたアルミテープは空中伝搬ノイズを遮蔽するようで若干の効果があります。
私は調整中に周波数カウンタを常に接続して局発の周波数を監視しています。
調整が終了し、受信出来るようになったので周波数カウンタを外したところ感度が落ちてしまいました。
自作の周波数カウンタは測定端子のミノムシの中に10PFコンデンサーが入っていて入力容量は10PFです。
そこで回路の測定ポイントとGND間に小容量のコンデンサーを接続したところ感度が復活しました。
ラジオの回路図ではC16で現在は7PFになっています。
この値が大きすぎると受信周波数範囲がずれてしまうようです。
このコンデンサーを追加し、さらに周波数カウンタを接続すると容量が大きすぎてしまうようです。
そこで、周波数カウンタの入力端子に1PFのコンデンサーを直列に接続してみました。
発振出力が強いのか周波数カウンタの感度が良いのか問題なく周波数が計れました。
この値ではカウンタの着脱での影響はありません。
この回路で調整をやり直しました。
私には、ここら辺の理屈が解っていないので、少々、気持ちが悪いのですが、とにかく調整後は安定して動作しています。
電池の持ちがどのくらいか試してみました。
使用電池は単1が1本です。
新品の電池を使いたかったのですが使用中の電池が入っていたのでこれを使いました。
実際の時間は多少伸びるはずです。
開始時の電池電圧は無負荷で1.43Vラジオのスイッチを入れると1.37V程度になりました。
1日目8時間、2日目16時間、3日目8時間になったところで639KHzの局の音が小さくなりました。
ラジオを手元に置けば、聞こえる程度です。
1404KHzの局は、まだ実用的な音量があります。
30時間以上は使える事が判りました。