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今回も1.5VのDC/DCコンバーターを試しています。
ラジオとしては周波数変換に1R5を使ったオーソドックスなものです。
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1R5は優秀な周波数変換管で入手も比較的容易です。
前回、5極管コンバータを試した時は試行錯誤の末、やっと性能が出るようになったのですが、今回は一発で動作しました。
1R5はAGCが掛けられるので、中間周波段のAGCを止めました。
中間周波段にレフレックスとAGCの両方を加えるとトラブルが多いのですが今回はAGCが無いのでレフレックスに
しました。
1R5−SFが入手出来ればヒーター電流の合計が75mAで済むのですが前回の4球構成と同じ100mAです。
低周波増幅は前回と同じで出力管を使用していないため大音量は出せませんが実用上、十分な音量で聞く事が出来ます。
バーアンテナ
ラジオ少年より購入したものですがバリコンとの同調周波数の関係で少し巻き戻しています。
二次巻き線は取り除きました。
バリコン
これもラジオ少年から購入した親子バリコンです。
親側に10PF、子側に3PFのコンデンサーをパラに入れています。
周波数の可変範囲が少し広すぎた為です。
OSCコイル
市販のトランジスタ用10mm角のものを使用しました。
同調コイルだけ、少し巻き数を減らしました。
市販のコイルは二次巻き線の上に同調コイルが巻かれているので改造は簡単です。
二次巻き線と同調コイルの電位差が小さくなるような回路にしています。
IFT
これも市販の10mm角のもので、無改造です。
二次巻き線を使っていないのでコアの色は何でも良いと思いますが二次巻き線を使う場合は黒色コアのものを購入するのが
良いと思います。
真空管のIFTよりインピーダンスは低いと思いますが共振すればインピーダンスは上がるので何とか使えます。
低周波チョーク
ラジオ少年のBT−CH−9です。
ST−30より大きいですが安価です。
出力トランス
ラジオ少年のBT−OUT−1Sです。
シャーシ
1mmアルミ板を加工しました。
補強とケースへの固定に10×10×1.2mmのアルミアングルを組み合わせています。
ケース
ホームセンターで売られているパーツケースです。
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DC/DCコンバータは前回の回路と基本的に同じです。
ただし、手持ち部品の関係で若干の変更があります。
発振トランスはトロイダルコアコアからEI−16コアに変更しました。
FT−50コアに何百回も巻くのは重労働で、トランスの製作に半日掛かります。
EIコアなら1時間位で完成します。
DC/DCコンバータ自体の効率は85%位ですが回路図では保護回路や電源表示LEDが付加されているので
80%程度です。
CPUのクロック周波数は4MHz、発振周波数25KHzと各々、前回の1/2にしましたが大きな効果はなく、結局、
厳重なシールドで対処しました。
今回、電池電圧が高い時はデューティーを少し下げて出力電圧を調整しています。
出力電圧を監視している訳では無いので定電圧電源ではありません。
今回の電源も電池電圧低下を監視しています。
予定では1V以下で動作するはずでしたが実際には1.09Vで動作しています。
原因を調べて直したいところですが、よくデバッグしないうちに厳重にシールドしてしまいました。
シールドは何重にも行っているので、やり直しには時間とコストがかさみます。
電圧低下の時に行う事は電源表示灯の点滅だけで、DC/DCコンバータの動作には影響しません。
ニッケル水素電池を使った場合は、これくらいの電圧の方が親切かもしれません。
アルカリ電池の時は無視して使い続ければ良いです。
もう一つ、デューティーの調整ポイントが少し、ずれる可能性があります。
こちらは電池電圧を可変して(CVCC電源を使って)ドレイン波形をオシロで確認し、特に違和感を感じませんでした。
従って、このままにします。
CPUはPIC12F1822でコンパイラはMikroCです。
CPUは内蔵ハードウエアにデータを書き込んでスタートさせた後は電池電圧の監視のみを行います。
約1秒間に32回、電池電圧の計測を行い、32回の平均値が1V以下の時は電源表示灯を点滅させます。
/////////////////////////////////////////////// // 電池管ラジオB電源 global.h // // (1.5V電源U) // // 2018/04/12 PIC12F1822 MikroC Ver4.60 // /////////////////////////////////////////////// #ifndef _GLOBAL_H #define _GLOBAL_H ///// 型の短縮名称 typedef unsigned char uchar; typedef unsigned int uint; typedef unsigned long ulong; ///// A/d typedef union{ int adw; char adb[2]; }ADDATA; extern ADDATA addata; extern int btvb; extern uchar adf; extern void ad_init(void); extern void bt_volt(void); #endif /////////////////////////////////////////////// // 電池管ラジオB電源 adconv.c // // (1.5V電源U) // // 2018/04/12 PIC12F1822 MikroC Ver4.60 // /////////////////////////////////////////////// #include "global.h" ADDATA addata; int btvb; //電池電圧 uchar ad_cnt; //AD変換回数 uchar adf; //AD完了 uint adbuffb; //演算バッファ void ad_init(void){ ad_cnt = 0; adf = 0; adbuffb = 0; ANSELA = 0x1; //AN0 FVRCON = 0x82; //A/D REFF = 2.048 ADCON1 = 0x93; //右詰め、Fosc/8, FVR } int ad_conv(uchar ch){ ADCON0 = ch << 2; //ch set ADCON0.ADON = 1; //A/D使用 Delay_ms(1); ADCON0.GO = 1; //A/D START while(ADCON0.GO); addata.adb[0] = ADRESL; addata.adb[1] = ADRESH; return addata.adw; } void bt_volt(void){ adbuffb += ad_conv(0); ad_cnt++; if(ad_cnt == 32){ //32回の平均 btvb = 2 * (adbuffb >> 5); //2mVx分圧比/32 adbuffb = 0; ad_cnt = 0; adf = 1; } } /////////////////////////////////////////////// // 電池管ラジオB電源 radp1r52.c // // (1.5V電源U) // // 2018/04/12 PIC12F1822 MikroC Ver4.60 // /////////////////////////////////////////////// // CLOCK 4MHz // Oscillator INTOSC, Watchdog controlled by SWDTEN bit, Power-up Timer ON, // MCLR Pin OFF, Code Protection OFF, Data Protection OFF, // Brown-out Reset ON, Clock Out OFF, Int/Ext Switchover OFF, // Fail-safe Clock Monitor OFF, F-Memory Self W-protection OFF, Pll OFF // Stack Of/Uf Reset ON, Brown-out Reset 2.5V, Debug OFF, LVP OFF #include "global.h" void main(){ uchar ledf = 0; uint _delay = 1; OSCCON = 0x6b; //内部 4MHz OPTION_REG = 0xf; //タイマー0関連ダミー APFCON = 0x3; //ALTERNATE CCP LATA = 0x0; //出力 OFF TRISA = 0x9; //RA0,RA3入力 WPUA = 0; //プルアップしない WDTCON = 0xf; //ウオッチドッグ128mS ad_init(); //AD init asm CLRWDT; //WDT CLR CCP1CON = 0x8c; //PWM ACTIVE H PR2 = 39; //サイクルタイム(39+1) x 1u = 40uS CCPR1L = 20; //デューティー 20 x 1uS をセット T2CON = 0x4; //T2 ON プリスケーラー無し PWM1CON = _delay; //ディレーをセット while(1){ asm CLRWDT; //WDT CLR bt_volt(); //電池電圧計測 if(adf){ if(btvb < 1000) ledf = ~ledf; //1V以下で点滅 else ledf = 0xff; //それ以上で連続点灯 adf = 0; } if(btvb < 1250) _delay = 1; //デューティーの調整 else if(btvb < 1600){ _delay = btvb - 1250; _delay = _delay / 40; _delay += 1; } else _delay = 20; //出力停止 PWM1CON = _delay; //ディレーをセット if(ledf) LATA.B2 = 1; //LED ON else LATA.B2 = 0; //LED OFF Delay_ms(20); } }
写真は製作したDC/DCコンバータです。
大きなコア(FT−82#75)は入力側のコモンモードフィルタです。
シャーシ | ラジオ外観 | ラジオ内部 |
地元のローカル局3局(639KHz、882KHz、1404KHz)が実用上、十分な音量で受信出来ます。
電池は単1電池1本で1.5Vの時285mA、1.25Vの時230mA流れます。
電池電圧0.9Vまで動作しますがスピーカーで聞けるのは1V程度までです。
連続動作時間は30〜40時間位と思われます。
DC/DCコンバータのノイズは1404KHzの時スピーカーに耳を近づければ微かに聞こえますが、問題にならない
レベルです。
639KHz、882KHzではノイズは判りません。
DC/DCコンバータ自体は強烈なノイズを発生していますが、厳重なシールド等の対策でノイズは抑えられています。
僅かに使用した単1電池(無負荷:1.46V、動作電圧:1.41V)を使用しました。
1日目14時間、2日目14時間、3日目5時間使用したところ音が小さくなりました。
まだ静かな室内なら内容が聞き取れます。
電池電圧は1V程度です。
30時間以上、使用可能である事が確認出来ました。
今度は5極管コンバータを使った3球レフレックススーパーです。
使用球は入手が比較的楽で安価な1T4が3本です。
予備球の確保が楽になると思います。
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図の5極管コンバータはサブミニチュア管の5678や6088でも試していますが問題なく動作しています。
ただ、周波数変換専用の1R5や1V6に比べたら若干、神経質です。
図でC10の25pFは値が小さいと低い周波数で発振が止まります。
ただ、発振が強すぎても駄目で最適値があります。
また、C3の10pFは無いと感度が大きく落ちます。
これも、最適値があるようです。
このことは、回路を試作していた時に偶然発見したもので理由は解りません。
その時、入力容量10pFの周波数カウンタを接続すると感度が上がり、外すと感度が下がりました。
ここに10pFのコンデンサーを付けると今度は周波数カウンタの入力容量が邪魔になります。
そこでカウンタには2pFの直列コンデンサーを入れて影響を少なくしています。
1.5V回路には多量の電解コンデンサーが入っていますがDC−DCコンバータの回路経由のノイズを吸収するためです。
5極管コンバータにAGCを掛けると動作が不安定になるというので中間周波増幅段にのみ掛けています。
中間周波数増幅段にはレフレックスの音声周波数も加わるので異常発振し易く注意が必要です。
出力は電圧増幅管ですので大きな音は出ませんが室内で聞くには十分な音量が得られます。
電池は当初、単1電池1本でしたが、電池のコストを下げる為、ニッケル水素エネループ単3電池2本に変更しています。
間欠使用で12〜13時間程度です。
バーアンテナ
10φ×20mmのフェライト棒にリッツ線を巻きました。
ディップメーターで共振周波数を合わせ込んだ為、巻き数は数えていません。
二次巻き線はもう少し巻きたかったのですが、最初作成した巻き枠の寸法が足りませんでした。
バリコン
ラジオ少年で購入した290pF+120pFの親子バリコンです。
OSCコイル
トランジスタラジオ用10mm角のOSCコイルを改造します。
元の巻き線を全て取り除きます。
まず二次巻き線を0.06mmウレタン線で30回巻きます。
上にカプトンテープを1回巻きます。
この上に一次巻き線を同じ方向に巻きます。
巻き始めから30回の所にタップを出します。
さらに巻いて全体のインダクタンスを140uH程度にします。(外側のコアを外した状態で)
二次巻き線の巻き終わりをB+、一次巻き線の巻き始めをGNDにに接続します。
IFT
市販のトランジスタラジオ用10mm角のIFTを無改造で使用します。
二次巻き線を使用していないのでコアの色は黄、白、黒のどれでも構いません。
低周波チョーク
ラジオ少年のBT−CH−9を使いました。
出力トランス
ラジオ少年のBT−OUT−1H(20KΩ:8Ω)を使用しました。
前回はPWM制御のコンバータを使い高い効率が得られました。
しかし、空中伝搬ノイズを取るのが面倒で製作が大変でした。
今回はロイヤーの回路を使ったので製作が簡単で小型に出来ます。
ただし効率は悪くなります。
この回路の負荷として9.93KΩの抵抗を接続し、入力に1.5Vを接続したときの入力電流は190mAで負荷に44.5V
の電圧が発生するので効率は70%になります。
尚、PWM制御では85%でした。
回路には負荷を解放したときの過電圧防止と負荷を短絡したときの電流制限回路が組み込まれています。
電流制限回路はヒーター焼損の保護にもなりますが負荷(ラジオ側)B電圧に大容量のコンデンサーを接続すると台無しに
なります。
コンデンサーの短絡電流は瞬間的には、かなり大きくなります。
B電源には必要以上の容量を接続しないことです。
B電源に入れたコンデンサーの電荷は電源オフでも逃げ場が無く、回路補修の時、この電荷でヒーターを焼損する場合が
あります。
対策としてコンデンサーとパラに1MΩ程度の放電抵抗を入れます。
ロイヤーの回路は空中伝搬ノイズは小さいのですが配線経由のノイズが取りにくく、A電源には大容量の外付けコンデンサーを
入れています。
DC−DCコンバータ | ラジオ外観 | ラジオ内部 |
地元のローカル局3局(639KHz、882KHz、1404KHz)が実用上、十分な音量で受信出来ます。
電池は単1電池1本で1.5Vの時320mA、1.25Vの時265mA流れます。
電池電圧0.9V程度まで動作しますがスピーカーで聞けるのは1V程度までです。
動作時間は間欠使用で12時間位と思われます。
DC−DCコンバータのノイズは聞こえませんが、コアの機械的な振動音が僅かに聞こえます。
受信には殆ど影響しないし対策は困難ですので、そのままにします。
調整中にA電源が短絡する事故が発生しました。
調べると1T4の1本の7番ピンと1,5番ピンが短絡していました。
以前、不注意でヒーターを溶断したことが2回程ありました。
当然ヒーターピンはGNDに対して開放状態となりました。
今回はヒーターピンが短絡状態で特に操作上のミスは無く、真空管自体の問題と思われます。
バーアンテナは巻き枠の寸法が小さかったので二次巻き線が十分に巻けていませんでした。
今回、巻き枠の寸法を大きくして全体を巻き直しました。
インダクタンスと同調周波数で合わせ込んだので巻き数は記録していません。
同調巻き線は70回程度、二次巻き線は半分の35回程度と思われます。
回路図でC10を25pF→18pFにR2を270KΩ→100KΩに変更しています。
バーアンテナの作り直しで電池電圧低下時の感度が若干、上がりました。