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今回もポータブルスーパーの連続使用時間を長くする試みです。
今回はB電圧を少し下げて35V位にしてみました。
電池が新しい時35Vということは24V位でも動作しなくてはいけません。
前回の1V6−6088−6088の構成のままB電圧を下げた方が楽だったかもしれませんが1V6が24Vでゲインがあるか
判らなかったので5極管コンバータとしました。
以前、1T4−SFで試して偶々、上手くいった回路で、再現性に不安はあったのですが結果は上々でした。
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電源は単3電池2本をパラで接続しています。
電源入り切りは2回路のスイッチを使い通電時のみパラになるようにします。
ヒーター配線経由でDC/DCコンバーターのノイズが回り込むので大容量のコンデンサーが入っています。
真空管は6088を4本使用しています。
周波数変換は前述したように以前1T4−SFで試した5極管コンバータ使用しました。
この時C16の7PFを付けると感度が上がることを発見しましたが理由は判っていません。
中間周波数増幅管にはAGCを掛けていますが回路と定数は適当です。
中間周波増幅管にAGCと低周波信号を入力すると発振しやすいのでトラブルを避ける為、レフレックスを止めて4球構成に
しました。
検波はショットキダイオードで行っています。
MA700Aは以前、仕事で使用した為、大量に手持ちがあります。
当時の用途は高速オペアンプと組み合わせた1MHz信号の全波整流回路でした。
ゲルマニュームダイオードの代わりに事ある毎に使っています。
バーアンテナ
バーアンテナは、あさひ通信のSL−55Xです。
このアンテナは現在は入手出来ません。
代替品は広告写真で見た範囲では寸法が大きすぎて取り付かない様です。
このSL−55Xは以前に製作したラジオをバラして確保したものです。
手に入るうちに買い溜めしておくべきでした。
今回は二次巻き線を使用するのですが外したSL−55Xは二次巻き線が除去されていたので巻き直しました。
二次巻き線の巻き数は一次巻き線の1/2〜1/3が適当と判断しました。(根拠無し)
一次巻き線の巻き数は判らないのでインダクタンスで比較します。
巻き数が1/2になるとインダクタンスは1/4(二乗)になります。
ハトロン紙で巻き枠を作り、0.1mmのUEWを90〜100uHとなるように巻きました。
これくらいのインダクタンスでは密着巻きしても分布容量の影響は無いようです。
バリコン
一般的に販売されているトランジスタラジオ用のポリバリコンです。
国産品と思われるもので300円〜400円程度します。
100円程度で買える中国製のものはトラブルが多いです。
OSCコイル
市販のトランジスタ用10mm角のものを使用しました。
巻き線は全て取り除きコアだけを使用します。
巻き線は0.06mmのUEWを使用しました。
最初に二次巻き線を30回巻きます。
その上に一次巻き線を同じ方向に巻きます。
巻き始めから30回でタップとします。
巻き終わりまでは回数ではなくインダクタンスで判断します。
外側のコアを外した状態で巻き始め−巻き終わりのインダクタンスが150uH位になればOKです。
念の為、結果を確認しておきます。
外側のコアを取り付けて可変範囲の中央にセットし、巻き始めをポリバリコンのアース端子に接続し、巻き終わりを子バリコン
端子に接続します。
トリマーは中央の位置にしておきます。
バリコンの容量を最大にして共振周波数を確認し、530KHz+455KHzに共振すればOKです。
バリコンの容量を最小にして共振周波数を確認して1605KHz+455KHzに共振すればOKですが可変範囲が狭い場合は
トリマを減らしてコアを入れます。
実際の回路に組み込めば分布容量が若干増え、同調周波数は少し下がるので、調整範囲は若干、余裕をみておきます。
一次巻き線のタップを使用すれば真空管の入力容量の影響が軽減されるので、周波数可変範囲が広くなります。
ポリバリコンで周波数範囲が取れないときはタップを使えば1V6を使った場合でも範囲が取れるようになります。
ただし、トランジスタ用のOSCコイルはタップの位置が低すぎるので、今回のように巻き直します。
IFT
これも市販の10mm角の物で無改造です。
二次巻き線を使っていないのでコアの色は何でも良いと思いますが二次巻き線を使う場合は黒色コアのものを購入するのが
良いと思います。
真空管のIFTよりインピーダンスは低いと思いますが共振すればインピーダンスは上がるので何とか使えます。
低周波チョーク
山水のST−30を使用しました。
出力トランス
山水のST−30の鉄心とコイルの隙間に0.16mmのUEWを50回程度巻き足して二次巻き線としスピーカーに
ケース
スピーカー
ラジオ少年で「超小型スピーカー」という名称で販売されているものです。
小型で省スペース、取り付け穴があるので取り付けに便利です。
ただし、小さいので能率が低く大きな音はでません。
電池ボックス
今回は単3電池をパラに装着しますが、電源スイッチがオンの状態で、うっかり逆並列に入れてしまうとショートするので
危険です。(スイッチがオフになっていればスイッチを入れる前に気付くのですが)
今回、使用した電池ボックスは構造的に逆装着出来ないものです。(入ることは入っても電極が接続しない)
ケース
ケースはタカチPR−140Gを使用し、まず1mmのアルミ板をシャーシーとして取り付け、その上に回路基板を取り付け
ています。
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今回も省スペースと低ノイズの要求からロイヤーの回路を採用しました。
ただし、ロイヤーの回路は効率が高くなりません。
前回の1.5V単電源3球ポータブルレフレックススーパーの電源と殆ど同じ回路ですがトランスの巻き数比を変えて
出力電圧を下げています。
電池電圧1.5Vの時35Vの出力電圧が出るように考えています。
CVCC電源で動作させた場合、今回のラジオは35Vの時3.4mAの電流を消費しました。
ダミーの負荷を10KΩに設定し、入力電圧1.5V、1.25Vの時の効率は共に57%でした。
ロイヤーの回路は発振周波数が低く可聴周波数の範囲にあります。
発振周波数はトランスの鉄心と巻き線の状態により決まり、制御は出来ません。
空中に伝搬するノイズは小さいのですが電源配線経由のノイズが大きく、周波数が低い事もあってフィルターの時定数が
大きくなります。
その為、大容量のコンデンサーやインダクタを必要とします。
空中伝搬ノイズを減らすには発振周波数を下げる必要があり、鉄心の材質を変えたり、巻き数を増やしたりします。
さらに動作波形を鈍らせたりします。
ただし、これらを行うと逆に電源配線経由のノイズが大きくなり取りにくくなります。
従って、あるポイントで妥協して、空中伝搬ノイズはシールドで抑えます。
ラジオ外観 | ラジオ内部 |
地元のローカル局3局(639KHz、882KHz、1404KHz)が実用的な音量で受信出来ます。
ただし、スピーカー、出力トランスが貧弱ですので大音量は出ません。
電池は単3電池2本(パラ)で1.5Vの時220mA、1本あたり110mAとなります。
新品のアルカリ単3電池を入れて動作時間を確認してみました。
1日目に連続15時間使用しました。
2日目に連続10時間使用した時点でスピーカーの音が聞きづらくなりましたがイヤホンでは十分聞こえます。
この時、電池電圧は1.0V、B電圧は25Vでした。
心配した5極管コンバータですが、1V6と同程度の感度があります。
上記の4球ラジオは出来が良かったのですが、さらに省エネを目指して3球レフレックスを製作してみました。
上記のラジオは、そのまま残し、ケースを含め全て新規に製作しました。
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トランスの二次巻き線の巻き数は微調整したので回路図と若干、異なります。
バーアンテナ
SL−55Xは手持ちを使い果たしたので自作しました。
コアはバッタ物のバーアンテナのコアのみ使用しました。
コアの寸法は5mm×8mm×50mmです。
このバーアンテナはストレートラジオ用で270pFのポリバリコンと組み合わせるのでコイルの
インダクタンスが小さすぎて使えません。
巻き線は別のバーアンテナから解いたリッツ線を使用しました。
ディップメーターで共振周波数を合わせ込んだので巻き数は数えていません。
二次巻き線は一次巻き線の1/3程度の巻き数(目分量で)にしました。
OSCコイル
トランジスタラジオ用の10mm角のものですが、今までとメーカーが異なるようでコア(ボビン)の
寸法が小さいです。
改造方法は以前と同じです
IFT
これも今までとメーカーが異なるようでボビンの寸法が小さいです。
こちらも無改造で一次巻き線のみ使用しています。
ラジオ外観 | ラジオ内部 |
残念ながら前述の4球スーパーに比べ音量が小さいです。
スピーカーから実用的に聴くには手元に置かなければなりません。
前述の4球スーパーに比べ劣った原因を考えてみました。
レフレックスにした
球を1本省いたので性能が落ちるのは当たり前と言えば当たり前です。
真空管の問題
6088はヒーター電流が小さく、使い易い球です。
以前は製造年月が比較的新しいものが10本5000円程度で買えましたが現在は3倍程度の値段がします。
しかも、製造が古い物があり、中には性能が劣化したものが混じっている場合がありました。
今回、使用した球は使い回したもので、性能が落ちている可能性があります。
尚、用意した5本の6088のプレートと第二グリットを40Vにしてカソード電流を計測したところ0.7mA〜1.3mAの
バラツキがありました。
バーアンテナの問題
前回はメーカー製のSL−55Xを使用したのですが、今回は自作です。
バーアンテナの性能は感度に大きな影響を与えます。
スーパー用のポリバリコンは静電容量が小さいのでバーアンテナの巻き数が多くなり、分布容量が多くなります。
結果としてQが下がり、性能が落ちます。
自作のバーアンテナがメーカー品より性能が高いとは思えません。
IFTの問題
IFTはトランジスタラジオ用のものですが、今回使用したものは今まで使用した物よりコアの寸法が小さくなっています。
インダクタンスが小さく、Cが大きくなっていたら感度が下がる可能性があります。(未確認)
トラッキング調整の問題
トラッキング調整はどちらも慎重に行いましたが微妙な差が出た可能性があります。
ジャンク箱に壊れたトランジスタラジオから外したバーアンテナがあったので3球レフレックスを作り直しました。
バーアンテナの寸法が大きくなり、基板に取り付け出来なくなったので基板は作り直しました。
回路は若干、変更しました。
ケース、DC/DCコンバータは流用しました。
部品は外せる物は外して流用しました。
IFTは外せたのですがOSCコイルは外せなかったので同じ物を作り直しました。
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回路図は殆ど同じです。
ダイオード1N4005は調整時に使用するCVCC電源に対する保護の目的で付けましたが完成時には不要です。
バーアンテナは壊れたトランジスタラジオに内蔵されていたもので8φ×60mmのものです。
二次巻き線は無かったので巻き足しました。
巻き数は数えていませんが同調コイルのインダクタンスの1/10程度になるように調整しました。
巻き数では同調巻き線の1/3程度になると思います。
ラジオ外観 | ラジオ内部 |
地元のローカル局3局が実用的に聴けます。
最初の4球ラジオより音量は若干、小さいです。
1球、ケチった為、仕方ありません。
電池電流は1.5Vの時200mAで電池1本あたり100mAとなります。
電池ハンドブックで単3電池15Ω定抵抗負荷の連続放電時間は30時間程度になります。(終止電圧0.9V)
ただし、電圧1.1V以下ではスピーカーで実用的に聴くのが大変になります。(イヤホンなら0.9V程度まで聞こえます。)
結局、使用時間は20時間程度と思われます。
6088は、やや高価で入手も大変ですので5678に差し替えてみました。
同じ程度に受信出来ましたが5678の場合、2.5KHz位で異常発振し、耳障りでした。
いろいろ対策しましたが発振が止まりません。
6088の場合、特に問題ありません。
結局、6088専用という事で片づけてしまいました。
以前、もう少し筐体の大きいラジオで5678の3球レフレックスを組んだ事があります。
回路は、ほぼ同じでしたが、この時は特に問題ありませんでした。
今回はスペースが小さく配線が狭い場所で交錯しているので実装上の問題かもしれません。
6088は非力ですが、一応、出力管ですので45V以下の低い電圧ではプレート電流が流れやすく有利です。
ただし、45V以上で0バイアスの場合、電流が流れすぎてしまいます。
小型に作ったレフレックススーパーにトラブルが多いという事は痛いほど経験しています。
ところが、少し余裕を持った大きさに作ると問題ありません。
上の写真は5678を3球使ったレフレックススーパーで回路は同じですがケースが大きく配置に余裕があります。
このラジオは動作に問題は無く、音質が良いので最近まで毎日使っていました。
レフレックスにしたのは毎日使う為、電池の持ちを少しでも良くする為です。
ニッケル水素単3電池2本で15時間程度使用出来ます。
上の写真は現在、毎日聴いているラジオですが、やはりレフレックススーパーです。
中国球の1A2、1B2、2P2を使っていてヒーター電流が少なく電池電圧低下に強く、音質が良く、音量に
余裕が有ります。
上の写真はタカチPR−140Gプラケースに収められたラジオです。
このケースに収容したラジオは多数、製作したのですが現在、残っているのは写真の4台です。
いちばん左のラジオは1V6、6088、1AG5、6088の構成で動作は文句ありません。
左から2番目のラジオは、この頁の最初に紹介した4球スーパーで6088を4本使用しています。
やはり、動作は問題なく、B電圧が低いので連続20時間以上使えます。
左から3番目のラジオは1V6、6088、6088の3球レフレックススーパーです。
一応、実用的に使えますが僅かに音量が小さく、ボリューム最大で少し歪みます。
一番右が現在、手直し中のラジオで現状では発振で使い物になりません。
現在、異常発振で使い物にならいない5678、3球レフレックススーパーの基板を作り直してみました。
回路は大きくは変わっていません。(あまり変えようがありません。)
製作の出来、不出来で問題を解決しようとしたに過ぎません。
バーアンテナが二次巻き線からタップに変わっていますが、ここら辺は発振とは関係ありません。
ダイオード1N4005は調整時の保護用で動作には必要ありません。
回路基板 | ラジオ外観 | ラジオ内部 |
3本の5678のうち1本の静電塗装が剥がれていますが私が剥がした訳ではありません。
購入した時点で剥がれていたものが届きました。
見事な再現性というか強烈な異常発振で使い物になりません。
調整の時はDC/DCコンバータを使わずCVCC電源を使うのでDC/DCコンバータが原因ではありません。
初段の5678を抜いても発振は止まりません。
AGCループを遮断しても止まりません。
低周波のフィードバックループを遮断しても止まりません。
色々試してみたのですが解決出来ませんでした。
ところがチョークコイルとして使用していたST−30Aのリード線を入れ替えたら発振が
止まりました。
リード線の緑と白を入れ替えたという事です。
ただし、完璧では無く電池が新しいときVRを最大にすると発振気味になります。
少し絞れば問題無く、電池電圧が下がればVRを最大にしても大丈夫です。
いずれにせよチョークコイルの接続を逆にして何とか使えるラジオになりました。
それでもこのサイズでは4球構成のラジオに音質、音量で敵いません。
何故、2端子、受動素子の接続を逆にすると発振が止まるのか解っていません。