1.3V〜1.5V 0.3A程度の安定化電源を考えてみました。
これぐらいの出力電圧では整流ダイオードの電圧降下によるロスで効率が下がります。
そこで同期整流回路を試してみました。
とりあえず、入力電圧を7.2V(ニッケル水素単3電池6本)としてみました。
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製作した結果、動作はするのですが、効率が50%以下であり、同期整流した成果が出ているとも思えません。
整流FETのゲート損失等のロスの方が大きいようです。
同期整流は即、断念し、従来のダイオード整流に戻してみました。
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製作した回路

ダイオードは1本で足りるのですが、少しでもVFを下げようとして、3本パラにしています。
結果として効率は60%を僅かに越え、負荷変動、入力変動に対する電圧安定度も良好です。
しかしながら、0.1V P−P程度のリップルがどうしても取れません。
平滑コンデンサーを増やしても効果がありません。
制御系が何らかの時定数を持って振動している感じです。
PWMの周期、電圧比較の時間間隔等を変えてみたのですが、大きな効果はありませんでした。
1.3Vの出力電圧に対して0.1Vのリップルは目立ちます。
下に負荷抵抗5.0Ωの時の入出力特性のデータと入力電圧に対する出力電圧のグラフを示します。
入出力特性データ

入力電圧−出力電圧特性

尚、私自身の記録用としてPIC12F1822のソースを貼っておきます。
ソースでは出力電圧を1.3Vとしていますが、検出抵抗を微調整、又は半固定抵抗を使用すれば1.3V
でも1.4Vでも出力することが出来ます。
/////////////////////////////////////////////////
// 1.3V 0.3A 安定化電源 REG1R3.C //
// 2012/03/29 PIC12F1822 MikroC Ver4.60 //
/////////////////////////////////////////////////
// CLOCK 8MHz
// Oscillator INTOSC, Watchdog controlled by SWDTEN bit, Power-up Timer ON,
// MCLR Pin OFF, Code Protection OFF, Data Protection OFF,
// Brown-out Reset ON, Clock Out OFF, Int/Ext Switchover OFF,
// Fail-safe Clock Monitor OFF, F-Memory Self W-protection OFF, Pll OFF
// Stack Of/Uf Reset ON, Brown-out Reset 2.5V, LVP OFF
unsigned char duty;
void main(){
OSCCON = 0x72; //内部 8MHz
OPTION_REG = 0xf; //タイマー0関連ダミー
FVRCON = 0x84; //DACREF=1.024V
LATA = 0x0; //出力 OFF
TRISA = 0x3b; //RA2 = OUTPUT
CM1CON0 = 0x84; //Comparator Enable,higher speed,hysteresis disabled
CM1CON1 = 0x20; //FVR Reference
WPUA = 0x39; //PULL UP
WDTCON = 0xf; //ウオッチドッグ128mS
asm CLRWDT; //WDT CLR
CCP1CON = 0xc; //PWM ACTIVE H
PR2 = 79; //(79+1) x 0.5u = 40uS
duty = 0; //デューティー0からスタート
CCPR1L = duty; //デューティーをセット
T2CON = 0x4; //T2 ON プリスケーラー無し
while(1){
asm CLRWDT; //WDT CLR
if(CM1CON0.B6){ //出力電圧が低い時
if(duty < 40) duty++; //デューティーを上げる
}
else { //出力電圧が高い時
if(duty > 1) duty--; //デューティーを下げる
}
CCPR1L = duty; //デューティーをセット
Delay_us(160); //160uS待つ
Delay_us(160); //160uS待つ
if(!PORTA.B3){
LATA = 0x0; //出力 OFF
break; //遮断信号で終了
}
}
TRISA = 0xf; //ALL INPUT
T2CON = 0;
WDTCON = 0;
asm SLEEP; //スリープ
asm NOP;
}
アイデアが、ますます後退しますが、リップルがとれないのでレギュレータICを使ってみました。
ICは古くからあるMC34063となっていますが、手持ちの関係でJRCのNJM2360ADを使っています。
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製作した回路

上図の回路は最低入力電圧6V、出力電流300mAで定数を計算しました。(データシート参照)
リップルは確認出来ないほど小さくなりましたが、入力変動、負荷変動により、出力電圧が僅かに影響を受けるようです。
この為、データを多少、多目に取ってみました。
負荷解放の時の入出力特性(計算上、負荷抵抗を1MΩとしています。)

負荷抵抗24.8Ωの入出力特性

負荷抵抗11.8Ωの入出力特性

負荷抵抗5.88Ωの入出力特性

負荷抵抗4.58Ωの入出力特性

負荷抵抗4.02Ωの入出力特性

負荷抵抗4.58Ωの時の入力電圧−出力電圧のグラフ

負荷抵抗4.58Ωの時の入力電圧−入力電流のグラフ

負荷抵抗4.58Ωの時の入力電圧−効率のグラフ

負荷変動による出力電圧の安定度

負荷変動による入力電流の変化

負荷変動による効率の変化
