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 パソコン連動コンセント

 改良しました。(2010年11月)

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 昔のパソコンは本体の電源スイッチに連動するコンセントが付いていて便利でしたが、最近は付いていないようです。
 そこでパソコンの電源スイッチに連動するコンセントを製作しました。
 簡単に作れて便利に使えるので回路図も載せてみました。
 ただし、製作した結果、事故等が発生しても責任は負えません。
 また、100%手持ちの部品を使用した為、回路に多少の無駄があります。
 新規に部品を購入するなら市販品を購入した方が安いので、こちらを勧めます。
 さて、パソコンに連動するコンセント(タップ)を製作するとき、すぐ思いつくのはUSB電源の利用です。
 パソコン本体の電源が入るとUSB端子に5Vの電圧が供給されるので、これでリレーやSSRを駆動します。
 しかし、100Vの電源を扱うので、結線間違い等の事故により、USBポートにダメージを与える危険があります。
 そこで今回は本体のAC電流を検出する方法をとりました。
 手持ちに電流センサーがあったのも理由の一つです。



電流センサー 連動コンセント 回路図
電流センサー連動コンセント回路図

電流センサー

 この電流センサーはCT(カレントトランス)でU_RDというメーカーのものです。
 中央の穴に一次側の電線を1回か2回通します。
 この場合は二次側の巻き数が800回なので、一次側1回巻き1Aの場合、二次側に1.25mA流れます。
 (実際には結合係数Kがあり、値は1以下で1に近い値です。)
 仮にKを0.8とし負荷抵抗を100Ωとすると0.1Vの電圧が発生します。
 尚、CTは負荷を開放にしてはいけません。
 高電圧が発生し、絶縁破壊が起こる可能性があります。
 今回は電流を正確に計測する訳ではないので、これ以外の方法(センサー)があるかもしれません。


製作したパソコン連動コンセント

 あり合わせの材料を使用したので見た目が悪いですが便利に使えます。
 ケースは煎餅の箱を使いましたが、操作スイッチがないので十分です。
 入り口に必ずヒューズかサーキットプロテクタを入れ、ケースに収納する事が重要です。
 パソコンONと同時に電源が入り、パソコンOFFの約10秒後に連動電源が切れます。
 現在、CRTモニタ、MO、パソコン用スピーカアンプの電源を切っています。
 私のMOやCRTモニタはパソコンからの信号が切れた後に何らかの終了処理を行っているようです。
 従って、オフディレータイマーが好都合です。


回路図

 この回路図は手持ちの部品に合わせた回路になっています。
 例えばコイル電圧がDC12Vのパワーリレーがあれば、リレーは1個で済みます。
 ソリッドステートリレーを使えば消費電力を下げる事が出来ると思いますが、手持ちのパワーリレーを使用しました。
 検出、増幅回路は簡易的な物で正の半波しか増幅していません。
 正式にはアンプを±2電源とするか、二次巻き線の直流電位を電源電圧の1/2にシフトして交流増幅にします。
 (LM358はHレベルの出力電圧が低いので、中点より、やや低い電圧にした方が電源電圧を有効に使えます。)
 上記の理由でLM358の入力には負電圧が加わります。
 電圧が−0.6V以下になると、初段PNPトランジスタのコレクタベース接合が順バイアスとなり導通します。
 この電流が50mA以下なら壊れないとデータブックに書いてありますが、念のためダイオードを入れました。


改良しました(2010年11月)

 この回路は、かなり前に作ったもので、長い間、重宝してきましたが、気になることが一つありました。
 一次側の電源プラグをコンセントに差し込んだ時に連動出力が短時間出てしまう事です。
 電源プラグを差し込んだままにしておくなら、特に問題は無いのですが、例えば、雷が鳴った時に一次側のプラグを抜く事が あります。
 使用するときは再びプラグを差すのですが、この時、約10秒間出力が出てしまいます。
 10秒間というのは、パソコンが切れてから10秒後に周辺回路がオフするような回路にしている為です。
 つまり、一瞬でも入力があれば10秒間は出力が出る回路になっている為です。
 具体的には、100UFのコンデンサと100KΩのVRによる時定数です。
 10秒間、出力が出ても特に周辺機器が壊れる訳ではありませんが、中には通電開始時にハードウエアチェックを始める機器も あるので、鬱陶しいです。
 出力が出る原因は次の二つの内のどちらか、又は両方です。
 一つはパソコンが電源に接続された瞬間に(電源スイッチが押されていなくても) 突入電流が流れる為です。
 この電流を検出して出力を出してしまうことが考えられます。
 もう一つは回路自体が電源の立ち上がり時に出力を出してしまうことが考えられます。
 この回路はマイコンが使われていません。
 マイコンが使われていれば、電源投入時の初期化処理で簡単に逃げる事が出来ます。
 さらに、各種のCR時定数もソフトウエアタイマーで調整できて便利です。
 マイコンを使って作り直すことも考えましたが、新規に作るなら市販品を買った方が安いし、簡単です。
 ただし、作り直すにしても、市販品を購入しても、今まで使ったものがゴミになってしまいます。
 結局、今までの物を改造する事にしました。
 方法はタイマー(LMC555)で一次電源投入時の5秒間、出力を遮断します。
 下の回路で、点線で囲んだ部分が追加した回路です。


変更した回路図

 回路図をクリックすると拡大表示されます。
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>変更した回路図


リレーを使うかSSRを使うか

 この回路は出力の開閉をリレーで行っています。  製作した当時、SSR(ソリッドステートリレー)が手持ちに無く、パワーリレーが手持ちにあった為です。
 現在では秋月等で安価なSSRが売られているので、こちらを利用するのも方法かと思います。
 上記の回路は、待機時に3W程度、動作時に5W程度(推定)の電力を消費しますが、SSRを使えば半分程度になると 思います。
 寿命に関してはSSRの方が長寿命ですが、この回路では頻繁に動作する訳では無いので、差は無いと思います。
 製作コスト、スペースはSSRの方が有利だと思います。
 ただ、SSRにも欠点があります。
 まず、電圧ロスが1V〜3V(SSRの種類と出力電流で変わる)あるので、出力電力に2%程度のロスが発生します。
 このロスは素子の発熱になるので、使用電流に応じた放熱器が必要になります。
 次に、負荷がパソコンの周辺機器ということであれば、スイッチング電源が負荷になるという事があります。
 スイッチング電源は容量性の負荷ですので、SSRが誤動作しないか心配になります。
 最近、別の回路で実験をしてみました。
 負荷を液晶モニタディスプレーにして秋月製のSSRで開閉をしてみました。
 この時の動作は特に問題ありませんでしたが、場合によっては対策が必要になるかもしれません。
 1日10回程度の開閉ではリレーが安心して使えます。
 リレーは動作の切り替わりで音が出るので、耳で動作の確認が出来るというオマケもあります。
 リレーを使用するときは、接点容量に十分余裕のあるものを使います。
 リレーのコイルや接点にスパークキラー(CR直列素子)を入れておけば安心です。


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