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 単球レフレックスラジオ

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 6GM8

6GM8真空管

 偶然6GM8という真空管という真空管の存在を知りました。
 データシートを見るとプレート電圧6.3Vの動作例があります。
 ヒーターは6.3V330mAの傍熱管です。
 6Vバッテリー用に開発された様ですが詳細は不明です。
 この球を使ってラジオを作っているサイトがあったので私も試してみたくなりました。
 球の入手には苦労しました。
 真空管のラジオを作り始めて1年未満という事もあり、販売店の情報が不足しています。
 やっと入手出来たのですが金額は5678の3倍程度しました。
 スペアも含めて4本を購入したので結構な出費です。


 回路図

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回路図

 電源部
 電池駆動を考えていますが、ヒーター電流が大きいので短時間しか持ちません。
 調整時は外部のCVCC電源を接続出来るようにしました。
 ただ、手持ちのCVCC電源は0V〜18Vまで可変出来るので誤って高い電圧を加えないように過電圧保護回路を 付加してあります。
 FDS4935AはPチャンネルMOSFETが2個入った8ピンのチップです。
 最初のFETで逆電圧を遮断し、次のFETで過電圧を遮断します。
 遮断電圧は7.5V程度でした。
 6Vの時ラジオには330mA流れますが、FDS4935Aでの電圧ロスは30mV程度です。
 1Aのヒューズの電圧ロスは50mVですので合計80mVのロスがあります。

 バーアンテナ
 最初、小型のバーアンテナを付けたのですが、あまりにも感度が悪いので大型のものに交換しました。
 それでも2m程度のビニール線を外部アンテナとして使用しないと何も聞こえません。

 検波ダイオード
 手持ちにはゲルマニュームの1N34Aが多量にあったのですがジャンクション温度の最大定格が75℃で、半田付けで 壊しそうですのでショットキのMA700Aを使いました。

 高周波チョーク
 高周波チョークには周波数特性があり、値がクリチカルです。
 最初、市販のインダクターを試したのですが値を微調整するために手製のものに変更しました。
 トロイダルコアFT−50#43に0.6mmのUEWを巻いています。
 値は470uH〜4.7mHで試してみました。
 発振し易いので足にフェライトビーズを通してありますが効果は不明です。

 低周波チョーク
 以前、「ラジオ少年」で買っておいたものです。
 小型でインダクタンスが大きいものですが直流抵抗が4KΩ程度あり、電流は1mA以下です。

 出力トランス
 これもラジオ少年で購入しておいたものでラジオの出力の割には大型です。
 最初、基板に取り付けたのですがバーアンテナを大きくした際に干渉し、蓋に移動しました。
 出力トランスはST−32やST−30に二次巻き線を追加したもの等、いろいろ試してみました。
 どれでも音は出ますが、これが一番良かったように思います。
 20KΩ:8Ω 一次側直流抵抗は1.2KΩです。

 ボリューム
 最初は回路に入れていたのですが、絞るほどの音量が無かったので取り除きました。
 強電界地域では必要になるかもしれません。


製作したラジオ

ラジオ外観 ラジオ内部 ヒーター
ラジオ外観ラジオ内部ヒーター

 実用性は最初から有るとは思えず、実験目的ですが、ケースに入れて真面目に作りました。
 最初から実験で始めると、直ぐに投げ出してしまうためです。
 途中でバーアンテナを大きい物に変更したので出力トランスと干渉してしまい、出力トランスを蓋に移動しました。
 3枚目ヒーターの点灯を写したものですが拡大しないと見えません。
 一般の電池管はずっと低消費電流ですがヒーターの点灯がみえません。
 この6GM8は6Vの鉛蓄電池を電源に考えて作られたと思われ、ヒーターの電力が大きいので点灯しているのが判ります。


結果

 さすがに感度が悪く、調整には苦労しました。
 ポイントは高周波チョークの周波数特性です。
 当地ではNHK第二(639KHz)、NHK第一(882KHz)、静岡放送(1404KHz)は最低限、聞こえなければ いけません。
 チョークのインダクタンスが1mH以上では静岡放送は全く聞こえません。
 現在の値750uHでは静岡放送が聞こえますが音は小さいです。
 これ以下のインダクタンスではNHK第二の感度が悪くなり、発振し易くなります。
 もう少し合わせ込む必要があるかもしれませんがケースに組み込んだ関係で、基板を外してインダクタンスの調整をするのは 面倒です。
 NHK第一、第二に限定すれば4.7mHでも問題ありません。
 特にNHK第一は結構、大きい音で聞こえます。
 静岡放送に限定すると電池電圧5V以下では音がさらに小さくなってしまうので、スピーカーでは連続1時間半程度だと 思います。
 (昼間の木造家屋の室内、4本100円のアルカリ単3電池で)
 マグネチックイヤホンで聞けば電池電圧4Vでも実用的に聞こえるので連続3〜4時間は大丈夫だと思います。
 もしかしたらスピーカーの能率が少し低いのかもしれません。
 とにかく電源電圧6Vの真空管ラジオでスピーカーから音が出たということで一応、満足しています。


感度を上げる

 1404KHzの静岡放送の音が小さいので改良しました。
 高周波チョークに問題があることは分かっていたので作り直してみました。
 最初のコイルはFT−82#43コアに0.6mmUEWを巻いて750uHに調整したものですが、線径が太い為、 線が目一杯に重なり、分布容量が多くなり、高い周波数でQが下がってしまったと判断しました。
 今回はFT−50#43コアに0.26mmUEWを巻いて800uHに調整しました。
 線が細いので重ならずに一重で巻くことができました。
 結果は良好で静岡放送が実用的な音量で聞こえるようになりました。
 ただ、外部アンテナが必要という状況は変わっていません。
 もう少しインダクタンスを増やすことが出来るかもしれませんが面倒なので、これで良しとします。
 ネットでラジオ回路図を検索し、高1ラジオ、再生検波、レフレックスラジオに使われている高周波チョークの値を見てみると 2mH〜10mHとなっていますが、ハニカム巻きの高周波用チョークを使っていると思われます。
 高周波用のチョークは入手が難しく、入手出来たとしても高価で寸法が大きくなります。
 一般に市販されているマイクロインダクターは密着巻きで、せいぜい1MHzまでです。
 それで、トロイダルコアにUEWを巻いたのですが、巻き方が悪いと高い周波数が受信出来ず、インダクタンスも 大きく取れません。(上手く巻いても市販の高周波チョーク以下ですが)
 音が大きくなり、電池電圧4V程度でも聞こえるようになったので、電池も3〜4時間位持つと思います。
 尚、ニッポン放送(1242KHz)が昼間でも聞こえるようになりました。
 音が小さく、スピーカーの近くで、やっと聞き取れる程度ですが、マグネチックイヤホンなら実用的に聞こえます。


さらにインダクタンスを増やす

チョークコイル
取り付け

 一応、完成としたはずでしたが暇なときはチョークコイルを作り直してみたりします。
 一回り大きなFT−82#43コアにリッツ線を巻いてみました。
 巻きすぎると分布容量が増えて高い方の周波数(静岡放送1404KHz)が聞こえなくなります。
 結果として1050uHまでインダクタンスを増やすことが出来ました。
 今までの800uHに対して大きな変化は得られませんでしたが多少の効果はあるはずです。


正バイアスを掛ける

回路図

 6GM8のグリッドに正バイアスを掛けてみました。
 バイアス電圧は1.25Vです。
 入力側は検波ダイオードD1のアノード側に加えたのですが逆効果でした。
 出力側は僅かに音が大きくなりました。
 特に電池電圧が下がった時は効果があり、電池電圧4V位まで聞こえるようになりました。
 外部アンテナが必要な事には変わりなく、電池も3時間〜4時間程度しか持たないので実用性に欠ける事に変わりあり ません。


B電圧を上げてみる

回路図

 B電圧を上げてみました。
 チャージポンプで2倍にしてみました。
 回路ロスがあるので12Vにはならず、10V位になりました。
 僅かな効果はありましたが劇的な効果はありませんでした。
 チャージポンプもDC−DCコンバータですがコイルを使わないのでノイズの影響はありませんでした。
 出力側のプレート電流は1.3mA程度です。


再生を掛けてみる

回路図

 今度は再生を掛けてみました。
 再生は一般的なバリコンを使う方法です。
 再生バリコンはスーパー用のポリバリコンの親側(150pF程度)を使いました。
 再生コイルはバーアンテナに0.26mmのウレタン線を10回程度巻きました。
 効果は有りましたが3mのアンテナ線が必要という状況は変わりません。
 静かな室内なら電源電圧5V以上でローカル局が実用的に聴けます。
 ラジオを手元に置けば4V以上で聴けます。
 トロイダルコアに巻いた高周波チョークは再生バリコンと干渉するため470uHのマイクロインダクターの2個直列に 変更し、基板裏に取り付けました。
 電源電流は6.3Vの時330mAくらいですが電源投入時、ヒーターが冷えている時は1A近い突入電流が流れます。
 今までのストレスで1Aヒューズが飛んでしまいましたので3Aに交換しました。
 (省いても問題は無いと思います。)

再生コイルと再生バリコン


 3A5単球ラジオ

 上記6GM8レフレックスラジオを電池管の3A5で試してみました。
 3A5は直熱管でヒーター電力が1/5程度で済みます。
 6GM8ラジオは単3電池4本で3時間〜4時間程度しか動作しないので実用性に欠けます。
 3A5も1.5V220mAと大食いですが6GM8と比較すればヒーター電力は1/5程度で済みます。
 ただしDC−DCコンバータに電力が必要となるので5倍持つ訳ではありません。
 大体2.5倍〜3倍程度持つと思われます。
 単1電池1本で10時間〜15時間、持つのではないかと思います。


 回路図

回路図

 回路は6GM8の時と同じです。
 ただし、回路図はうまく動作したときの最終図面を予定して描いています。
 試作では電源がDC−DCコンバータでは無く、電池管ラジオ調整用のCVCC電源(自作)を使用しています。
 イヤホンジャックも付いていません。
 検波ダイオードの極性が6GM8の時と逆になっています。
 どちらの極性でも聴けますが、こちらの方が良いような気がしました。


 使用部品

 バーアンテナ
 10φ×200mmのフェライト棒にリッツ線を巻きました。
 バリコンと組み合わせて共振周波数を合わせ込んだので巻き数は数えていません。

 バリコン
 ジャンクの不等容量3連バリコンを使用しました。
 最大容量のセクションが筐体とショートしていて使えませんでした。
 残りの2セクションをパラにしています。
 合計容量は最大で300pF程度です。
 このバリコンは3:1のバーニア機構のある2重軸でツマミを右に回すと容量が増えます。

 高周波チョーク
 この回路で1番、問題のある部品です。
 市販インダクタを使ったり、フェライトコアに導線を巻いたりしていますが満足な物が得られていません。

 低周波チョーク
 ラジオ少年のBT−CH−9です。

 出力トランス
 ラジオ少年のBT−OUT−1Hです。

 検波ダイオード
 ショットキのMA700Aです。
 手持ちが沢山あるので、こればかり使っています。
 手直しが多いので熱に弱いゲルマニュームダイオードは怖くて使えません。


 高周波チョーク

 高周波チョークには何時も悩まされます。
 高1ラジオ、再生検波ラジオは高周波チョークを使うので上手くいった試しがありません。
 これを使わないスーパーヘテロダインは確実に結果を出せます。
 私が使う球はgmの小さい電池管のみですの、これが原因でしょうか?
 今回の回路で周波数の高い1404KHzの局はインダクタンスが小さいほど感度が上がります。
 大体、500uH程度になると結構、聞こえますが、さらに小さくすると突然に気絶して電流が流れなくなります。
 一方、周波数の低い局はインダクタンスが1mH以上ないと聞こえません。
 最終的には周波数によってインダクタンスを切り換える必要があるかもしれません。
 とりあえず1mH程度で周波数特性の良いインダクタを探しているのですが入手出来ません。
 市販の1mHインダクタは1MHz辺りに自己共振周波数があるようで使えません。
 仕方がないのでトロイダルコアにUEWやリッツ線を巻くのですが、こちらも問題があります。
 #43材は材質の問題で高い周波数ではQが落ちるようです。
 #61材はもう少し高い周波数まで使えるのですが巻き数が多くなるので分布容量が増えます。
 インターネットの製作記事では4mHや10mHのチョークを躊躇いもなく使っていますが不思議です。
 今回の回路ではインダクタンスに最適値があり、2.5mH分割ハニカム巻きの高級チョークでも使えませんでした。


 製作結果

 音が小さいですが882KHzのNHK第一は、ほぼ聴けます。
 639KHzと1404KHzの局は高周波チョークの値によって聞こえたり聞こえなかったしますが音は小さいです。
 外付けアンテナは効果が小さく、高い周波数がずれるので使っていません。
 いずれにしても実用性には欠けるので実験に留めます。


実験したラジオ

実験したラジオ

 6GM8単球ラジオ作り直し

 この頁の最初で6GM8単球レフレックスラジオを製作し、ある程度の結果が得られました。
 ただし、3mの外付けワイヤーアンテナは最後まで外せませんでした。
 今回、内蔵バーアンテナだけで聴ける単球レフレックスラジオを目標として作り直しました。
 手段として
 ・ バーアンテナを大きくする
 ・ バリコンの容量を小さくし、バーアンテナの巻き数を増やす
 ・ 1:3トランスで低周波のゲインを稼ぐ
 今までの実験で効果のあった
 ・ B電圧を上げる
 ・ 再生を掛ける
 ・ 出力側の正バイアス
 は継続することにします。


 回路図

回路図

 調整は外部電源で行います。
 電池で行うとコストが掛かるし電圧が変動するので具合が悪いです。
 外部電源を使うので逆電圧と過電圧に対する保護回路を付けています。
 逆極性と7.5V以上の電圧は遮断されます。
 回路による電圧ロスは数十mV程度です。
 ゲインを上げる為、チャージポンプでB電圧を2倍にしています。
 回路ロスにより2倍の12Vにならず11Vになっています。
 B電圧の昇圧と正バイアスにより出力トランスには2mA流れています。
 ラジオの回路は基本的には今までと同じですが低周波チョークの代わりに1:3トランスを使っています。


 使用部品

 バリコン
 以前、ラジオ少年で購入したジャンクのバリコンです。
 3セクションの内、MAX180pFのセクションを使用しています。
 3:1の同軸減速器が内蔵されていて回転方向が一般のバリコンと逆です。
 
 再生バリコン
 スーパー用の親子ポリバリコンの親側(140pF)を使用しています。
 子側では低い周波数で少し不足します。
 
 バーアンテナ
 手持ちの20cmフェライトバーに0.1mm×10芯のリッツ線を巻きました。
 ディップメーターで共振周波数を合わせ込んだので巻き数は数えていません。
 アンテナコイルは共振コイルの1/3程度に巻いてありますが、使用していません。
 再生コイルは10回くらい巻いていますが適当です。


製作したラジオ

ラジオ外観 ラジオ内部
ラジオ外観ラジオ内部


製作結果

 大きな手直しも無く当地のローカル局3局(639KHz、882KHz、1404KHz)が外部アンテナ無しで 聴けました。
 室内で個人的に聞くには実用的な音量があります。
 再生の効果が大きいと感じました。
 アンテナコイルは巻いてあるので3m位のビニールコードを接続してみたのですが、感度は上がらず、受信範囲が狭くなる等の 弊害が出たので、現在は接続していません。
 電池電圧1.1V(4本で4.4V)位までは聴けますが、これ以下では選局が大変になります。
 電池電圧1.5V(4本で6V)の時の電池電流は330mA程度になります。
 これは約4.5Ωの抵抗を負荷にした時の放電に相当します。
 電池応用ハンドブック掲載のグラフから連続使用時間は7時間となります。
 ただし、グラフの終止電圧は0.9Vですのでラジオとして使用出来るのは連続3時間程度と思われます。

 後日、100円ショップのアルカリ電池で動作時間を計測してみました。
 4時間30分程度は実用的に聴く事が出来ました。
 開始時と音量は殆ど変わりません。
 この間、選局、再生の再調整は行っていません。
 5時間位で音が小さくなりました。
 電池電圧は4V位です。


その後の変更

1:3トランス

 サトー電気から1:3トランスを入手したので交換してみました。
 結果、僅かに音量が大きくなりました。
 サトー電気から入手したトランスは鉄心のサイズが小さく励磁電力が小さくて済むので、このラジオの様に小さい電力を 扱う回路では損失が小さく効率が上がったと思われます。
 AC電源を使った本格的なラジオでは今まで使っていたトランスが大きい電力を扱えて有利だと思われます。

 音量調整ボリュームは100KΩから250KΩに変更しました。
 以前のトランスでは250KΩでは異常発振をしたのですが今回のトランスでは大丈夫です。
 100KΩでも良いのですが気分的にトランスの負荷を軽くしてみました。

 外付けアンテナは付けていませんが筐体内周に60cm程度のワイヤーアンテナ(0.8mmUEW)を仕込んでいます。
 大した効果は無く、無くても問題ありません。

 最初、6GM8単球ラジオを作った時は3mの外付けワイヤーアンテナで蚊の鳴くような音でしたが各種の改良で 音量、感度に関しては、ほぼ実用レベルになりました。
 ただ、連続動作時間が4.5時間というのは実用レベルに達していません。

 6AB8単球レフレックスラジオ

6AB8真空管

 上記6GM8の単球レフレックスラジオが思ったより結果が良かったので6AB8で試してみました。
 6AB8は3極、5極の複合管でヒーター電力が6.3V、0.3Aと少ない事に注目しました。
 カソードが共通という事で用途によっては使いづらい事、廉価版というイメージもあり、それほど人気が無いようで今の所 比較的、安く入手出来ます。
 今回、使用したのは1本150円の中古品で多少、菅面が黒くなっています。


 回路図

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回路図

 回路は前記6GM8のものと殆ど同じです。
 回路図の外部アンテナは接続していません。
 B電圧はDC/DCコンバータで30Vに昇圧しています。
 電池は単3電池4本ですが連続4時間程度しか持たないので外部電源も使える様にしてあります。
 外部電源を使うので過電圧、逆電圧に対する保護回路を組んであります。
 図の定数で0V〜7.8Vの電圧が通過します。


 使用部品

 バリコン
 ラジオ少年から購入したジャンクのバリコンです。
 FM3連、AM2連の5連バリコンですがAMの1セクション(220PF)のみ使用しています。

 バーアンテナ
 14cmのフェライトバーに0.1mm×20本のリッツ線を巻きました。
 インダクタンス、共振周波数を合わせ込んだので巻き数は数えていません。
 再生巻き線は適当に巻いたのですが若干、巻きすぎたような気がします。

 高周波チョーク
 アキシャルリードのモールドインダクターです。
 サイズの大きいものが分布容量が小さくて良好です。
 インダクタンスを大きくすると高域で感度が下がります。
 5極管でバイアスを調整出来る場合は、もう少し大きなインダクタンスが使え、ゲインも上がります。

 再生バリコン
 スーパー用のポリバリコンの子側(70pF程度)を使っています。

 1:3トランス
 サトー電気で購入しました。
 詳細は不明です。

 出力トランス
 ラジオ少年で購入した10KΩ:8Ω、1Wの最も小型のものです。

 スピーカー
 ラジオ少年で購入した小型の楕円スピーカーです。

 ケース
 ホームセンターで購入した透明のパーツボックスです。


 DC/DCコンバータ

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回路図

 DC/DCコンバータは簡単な回路ですがラジオの電源として使えるものを作るには手間が掛かります。

 真空管の選別とB電圧の決定
 手持ちの6AB8は皆、中古品ですので実際に電圧を掛けて、どの位電流が流れるか調べてみました。
 B電圧を24Vに仮定し、グリッドリークバイアスで3極部と5極部にどの位の電流が流れるか計測しました。
 中古ですので電流が流れないものや逆に流れ過ぎる物がありましたので廃棄処分としました。
 平均的な値として3極部に0.5mA、5極部に2.5mA、合計3mA程度流れることが判りました。
 B電圧を30Vにすると6mA程度に増えます。
 結局、電池が新しい時30Vの電圧が出せるものを作ることにしました。

 トランジスタの選択
 使用するトランジスタによって効率が大きく変わります。
 回路図のトランジスタでなくても構いませんがストロボ用やDC/DCコンバータ用と指定された品種を使います。
 コレクタ耐圧が電源電圧の2倍以上、コレクタ電流が数アンペア以上の物を使います。
 ベースバイアス抵抗は効率を上げる為に合わせ込むので丸ピンICソケットで交換可能にしてあります。

 トランスの製作
 コアは透磁率の大きいフェライト#75で1/2インチのサイズを使います。
 透磁率が大きいほど巻き数が少なくて済みます。
 6Vから30Vを発生するのですが倍電圧整流ですので二次巻き線に15V発生すれば済みます。
 二次巻き線は一次の巻き数の2.5倍あれば良いことになります。
 実際には回路にロスがあるので多めに巻いて巻き戻しながら電圧を調整します。
 最初に一次巻き線の巻き数を決めますが、これは今までの経験で常識的に決めます。
 今まで数多く製作した1.5Vから45Vを発生すコンバータでは12回〜25回でした。
 電流が大きい程、巻き数を少なくします。
 尚、一次巻き線はプッシュプルですので25回巻きというのは25回+25回(50回センタータップ)となります。
 今回、最初、一次24回、二次60回(80回巻いて調整)で製作しました。
 この時の効率は48%でした。
 50%以下では納得出来ないので作り直しました。
 現在一次40回、二次100回(120回巻いて調整)で効率は60%です。

 コアの下処理
 #75コアは導電性があるのでコイルを巻く前にアクリルラッカーをスプレーして絶縁しておきます。
 一次巻き線を巻いた後、さらにアクリルラッカーで固めておきます。
 これは巻き線の機械的な振動音を低減します。

 出力電圧の調整
 ダミーの負荷として5KΩの抵抗を接続し、電池電圧6Vの時負荷電圧が30Vになるように二次巻き線を少しずつ 巻き戻します。

 ノイズの低減
 インバーターのノイズは空中を伝搬するものと電源ラインを伝搬するリップルノイズがあります。
 DC/DCコンバータの発振周波数が高い程、空中伝搬ノイズは大きくなります。
 周波数が低いほどリップルノイズは取りにくくなります。
 今回の球は傍熱管ですのでリップルノイズの影響は低減されますが直熱管では直接入力信号となってしまいます。
 ロイヤーの回路は鉄心、コイル、負荷によって発振周波数は決まってしまいます。
 空中伝搬ノイズを取る為にコレクタコレクタ間にコンデンサーを入れて波形を鈍らせています。
 この事はリップルノイズを増やし、効率を下げます。

コンデンサー無し

 上の写真はコンバータのコレクタ波形でコンデンサーを付けなかった時のものです。
 2相のコレクタ波形を重ね合わせて表示しています。
 トランジスタがオフする時のオーバーシュートが空中伝搬ノイズの目安になります。
 一方、2相の切り替わりにロス時間が殆ど無いのでリップルノイズは小さくなっています。
 効率も高くなります。

コンデンサー1uF

 上の写真は両コレクタ間に1uFのコンデンサーを入れた時の波形です。
 トランジスタOFF時のオーバーシュートは完全に取れているので空中伝搬ノイズはありません。
 デッドタイムが目立ち電源のリップルノイズが大きくなっています。
 効率が低くなります。

コンデンサー1uF

 上の写真は0.1uFのコンデンサーを付けたときのものです。
 実際の回路の値です。
 オーバーシュートが少し残っていますがシールドで対処します。
 動作確認の為、コレクタ波形は必ず確認します。
 最終確認としてAMポケットラジオをコンバータに近づけてノイズの影響を確認します。

 機械的振動
 今回のコンバータの発振周波数は6.7KHz位の比較的高い周波数で可聴域です。
 電気的なリップルノイズは周波数が高い場合、小容量のコンデンサーで取れます。
 電気的なノイズ以外にトランスの機械的振動音が発生しますが鉄心に継ぎ目の無いトロイダルコアを使い一次巻き線を アクリルラッカーで固める事により振動音を限りなく低減しています。


製作したラジオ

ラジオ外観 ラジオ内部
ラジオ外観ラジオ内部


製作結果

 当地のローカル局(639KHz、882KHz、1404KHz)が実用的に聴けます。
 大きな音は出ませんが静かな室内なら電池電圧4V(1V×4)まで聴けます。
 3.6Vまでは何とか聴けますが選局がクリチカルとなります。
 電源電流は電圧6Vの時ヒーターに295mA、DC/DCコンバータに50mA流れます。
 新品のアルカリ単3電池4本で4時間程度は使えると思います。
 DC/DCコンバータのノイズは全く感じません。

 3A5単球レフレックスラジオ(作り直し)

6AB8真空管

 以前3A5を使用した単球レフレックスラジオを製作したのですが、結果が思わしくなく中止していました。
 その後6GM8と6AB8で再生を掛けることにより、ほぼ実用レベルの単球レフレックスラジオを作ることが出来ました。
 3A5も再生を掛ければ、そこそこ行けるんではないかという気がして再チャレンジしました。


 回路図

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回路図

 基本的には6GM8、6AB8と同じ回路です。
 D5〜D11までのダイオードは調整時にCVCC電源を使う場合の保護回路です。
 完成後、電池で動作させる場合は不要になります。
 必要なのはD1、D2の検波ダイオードとD4の電源表示灯のみです。
 D3は念のため入れておきます。
 配線間違いや調整中の事故で40Vの逆電圧が加わるとLEDは確実に壊れます。
 3A5は直熱管の為、DC/DCコンバータの電源リップルがヒーターに流れると致命的ですので大容量のコンデンサー を入れてあります。


 使用部品

 バリコン
 ラジオ少年から購入したジャンクのバリコンです。
 ラジオ少年ではジャンクの金属バリコンを各種、格安に販売していて重宝しているのですが、この型式のもの は不良品が多いです。
 これは210pF、180pF、90pFの3連のものです。
 6GM8の時使ったものは210pFのセクションがショートするので180pFのセクションを使ったのですが 今回の物は180pFのセクションがショートするので210pFのセクションを使いました。

 バーアンテナ
 今回も手持ちのφ10長さ14cmのフェライト棒にリッツ線を巻きました。
 共振周波数を合わせ込んだので巻き数を数えていません。
 再生巻き線は適当に巻きましたが、今回も巻きすぎたかもしれません。

 高周波チョーク
 FT−50#61コアに0.26mmウレタン線を120回巻き、約1.8mHになっています。

 再生バリコン
 スーパー用のポリバリコンの子側(70pF程度)を使っています。

 1:3トランス
 ラジオ少年で購入しました。
 詳細は不明です。

 出力トランス
 ラジオ少年で購入した10KΩ:8Ω、1Wののものです。

 スピーカー
 ラジオ少年で購入した小型の楕円スピーカーです。

 ケース
 ホームセンターで購入した透明のパーツボックスです。


 DC/DCコンバータ

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回路図

 1.5Vから40Vを発生します。
 ダミー負荷に8.2Kの抵抗(実測8.1K)を接続し入力電圧1.5Vの時負荷電圧40Vになるようにトランスの 二次巻き線の巻き数を微調整しました。
 調整後の電源電流は1.5Vの時185mAでした。
 効率は71%に達しました。
 実際の負荷(ラジオ)は若干軽く約160mA流れます。
 ベースバイアス抵抗とノイズ吸収用のコンデンサーは丸ピンICソケットに挿入し、交換出来るようになっています。
 その他の小容量コンデンサーはチップ形状のものを半田面に実装しています。
DC/DCコンバータ

製作したラジオ

ラジオ外観 ラジオ内部
ラジオ外観ラジオ内部


製作結果

 当地のローカル局(639KHz、882KHz、1404KHz)が実用的に聴けます。
 大きな音は出ませんが静かな室内なら電池電圧0.9Vまで聴けます。
 以前に製作した6GM8や6AB8のものに比べ全体的に選局がクリチカルです。
 電源電流は電圧1.5Vの時ヒーターとDC/DCコンバータ合計で合計380mAですが電池は2本パラですので1本あたり190mAです。
 新品のアルカリ単3電池2本で連続10時間は使えると思います。
 DC/DCコンバータのノイズは全く感じません。


その後の手直し

 一応ローカル局3局が電池電圧0.9Vまで聴けるのですが0.9Vになると1404KHzの選局がクリチカルになり、 音量も639KHzの局に比べ低くなります。
 製作直後は納得しても暫くして聴き直すと、やはり気になります。
 気になる個所を手直ししてみました。

* 検波ダイオードの極性を逆にする
 2個の検波ダイオードの向きを逆にしても同じように聴けますが、今のままの方が若干、良い様な気がしました。
 結局、元に戻しました。

* 出力側ユニットを正バイアスする。
 効果が無く、元に戻しました。

* 出力トランスのインピーダンスを20KΩにする。
 結果は悪くなり元の10KΩに戻しました。

* バーアンテナを巻き直す。
 アンテナ同調巻き線の巻き数を減らしコイルを中央寄りに移動しました。
 分布容量が減る事と、フェライトバーの中央部を使うことで効果はあると思います。
 再生巻き線の巻き数を減らしました。
 アンテナ巻き線を追加しました。

* ワイヤーアンテナを張る
 1m程度のワイヤーアンテナを筐体内部に貼り付け(約1周半)前述のアンテナ巻き線に接続しました。

* 高周波チョークの作り直し
 FT−50#61コアにリッツ線(0.1mm×10本)の切れ端を巻きました。
 1200uH程度を予定したのですが長さが足りず900uHにしかなりませんでした。
 1404KHzの感度が上がりました。
 心配した639KHzの感度低下は殆ど気にならず、このまま採用しました。

* 再生量の調整
 再生バリコン(スーパー用ポリバリコンの子側)とパラに22pFを接続しました。

* 電源部チョーク廃止
 A電源にはDC/DCコンバータのノイズが回り込まないように大容量のコンデンサーが接続されています。
 電源SWの接点保護の為に0.2Ωの抵抗分を利用しています。
 電池電圧からA電源までの電圧降下が結構大きいので0.1Ωの抵抗にして電圧降下を減らしました。


現在の回路

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現在の回路図

手直し結果

 電池電圧0.9Vでの音量が上がり選局も楽になりました。
 ローカル局3局が電池電圧0.8Vまで聴けます。
 3A51本でスピーカーを鳴らすのは厳しいものがありますが20cmのバーアンテナと筐体内部に貼った1mの ワイヤーアンテナのゲインで何とか実用的に聴けました。

 6AB8単球レフレックスラジオ(U)

 6AB8単球レフレックスラジオは前回、製作済みですが今回は2個所で同調するタイプです。
 今まで紹介した単球レフレックスラジオは単同調のものです。
 複同調のものは回路が高級?に見えるので何回か挑戦していますが全て失敗しています。
 結論から言うと今回も低い周波数の局しか受信出来ず、実験後、分解することにしました。
 失敗の記録を残しておかないと後々、同じ物を試す危険があります。

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回路図

 事前の実験でB電圧を30V程度にすれば0バイアス(グリッドリークバイアス)で使える事を確認しています。


 使用部品

 バリコン
 ラジオ少年から購入したジャンクのバリコンです。
 FM3連、AM2連の5連バリコンですがAMのセクション(350pF2連)のみ使用しています。

 再生バリコン
 スーパー用の親子ポリバリコンの子側(又は親側)を使用しています。

 バーアンテナ
 14cmのフェライトバーに0.1mm×20本のリッツ線を巻きました。
 インダクタンスを約260uHとしました。

 検波コイル
検波コイル 検波コイル
 作り方が分からず適当です。
 FT−114#61コアに0.1mm×10芯リッツ線を巻きました。
 プレート負荷コイルと同調巻き線はバーアンテナと同じ260uHとし、検波コイルは適当です。

 高周波チョーク
 FT−50#61コアに0.26mmUEWを巻き1mHに調整しました。

 1:3トランス
 サトー電気で購入しました。
 詳細は不明です。

 出力トランス
 ラジオ少年で購入した10KΩ:8Ω、1Wののものです。


 DC/DCコンバータ

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回路図

 ラジオのB電源として予め製作したのですがラジオが完成しなかったので使用されませんでした。
 電源の動作としては問題なく、別の機会に流用することにします。
 動作試験では入力6V、50mAで4630Ωの負荷抵抗に29.13Vを発生しました。
 負荷電流は約6.3mA、効率は約61%になります。


 調整の仕方が分からない

 部品数は少ないのですが信号の流れが素直で無いので注意して配線しないとトラブルが発生します。
 ポイントは2個所の同調周波数をピッタリ合わせる事です。
 バーアンテナと検波コイルのインダクタンスは製作する時に合わせましたが実際の同調周波数を合わせる方法が 分かりません。
 バーアンテナの共振周波数はディップメーターで判りますが検波コイルはトロイダルコアに巻いたのでディップメーターでは 測れません。
 とりあえず3タップの空芯コイルを作りディップメーターのコイルを挿入します。
 3タップの空芯コイルのインダクタンスは約0.3uHで同調コイルのインダクタンス260uHに比べたら誤差程度?と なるので2つのコイルを直列に接続します。
 これで最低周波数の530KHzに合わせました。
 バーアンテナはコイルの移動で調整できますが検波コイルは巻き数を微調整するしかありません。
 とりあえずローカル局の低い方(639KHz)は実用的な音量で聴く事が出来ました。
 ところが中間の周波数の局(882KHz)がなかなか選局出来ません。
 2個所の同調を合わせるだけでなく再生の掛かり具合の問題もあります。
 さらに高い(1404KHz)を考えると気が遠くなってしまいます。
 結局、調整を断念し、分解することにしました。


 実験ラジオ

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