押入の隅から、約30年前(2009年現在)に製作した、ステレオパワーアンプが出てきました。
今でも動作するかどうか判りませんが、埃まみれで、使うのも恐ろしいし、回路図が残っていないのでメンテナンスも
出来ません。
使える部品を外して廃棄処分となります。
それでも、外観だけホームページに保存しておこうと思いました。
私自身には懐かしいものですが、他の人には何の面白みも無いかもしれません。
私自身の個人的なアルバムです。
昔はマイコンなど無く、雑誌の製作記事はオーディオか通信機でした。
回路は、当時の言葉で「全段直結 純コンプリメンタリ」という定石回路です。
トランジスタもゲルマニウムからシリコンに変わり、安定した動作が期待出来るようになりました。
回路も、ほぼワンパターンの安定した回路になり、誰が作っても、そこそこの音が出るようになりました。
このアンプの出力は電源電圧から推測し、8Ω負荷で25W+25W程度と思われます。
基板は結構、大きなサイズのものをエッチングして作ってあります。(今の私には、こんなエネルギーはありません。)
サイズが大きくなったのは、当時の寸法の大きい1/2W抵抗を横に寝かして取り付ける為です。
当時、モールドトランジスタは直ぐに壊れると思いこんでいたようで、全てのトランジスタが金属パッケージになって
います。
側面の小さな基板は出力端子に直流電圧が検出された時、リレーでスピーカーを切り離す為の保護回路です。
終段のパワートランジスタは日電の2SA627/2SD188のコンプリメンタリです。
このトランジスタは既に廃止品種で入手出来ませんが、オーディオマニアには、いまだに人気があるようです。
当時にしてみれば、選択の余地が無かった(これしか無かった)のです。
ちょっと前に目にした記事で、本当かどうかは判りませんが、中国でこのトランジスタのコピーが作られているという
のがありました。
もし本当だとしたら、名前だけ同じで、内容は似て非なるものだとは思いますが。
さて、人気のある、このトランジスタですが、古い品種ですので、最新のものより性能が良いとは思えません。
昔を懐かしむ、私のような中高年が多いという事でしょう。
それにしても、昔の金属ケース入りのパワートランジスタは見栄えがします。
現在のモールドパッケージは高性能でも安っぽく感じます。