トップページ           電子回路のページのトップ

 中古トランジスターのチェック

 プロの仕事としては、中古の部品を使うなどは論外です。
 しかし、アマチュアが自分で使う機器では、中古部品も大事に活用したいものです。
 という訳で、中古トランジスターのチェックをしてみます。

接合のチェック

トランジスタの接合モデル

 上図は<アナログテスター>の項目で説明した、トランジスターの接合(のみの)モデルです。
 テスターで導通を計り、上図のような構造になっていれば、最低限、接合は壊れていません。
 コレクタ ベース間が双方向で導通状態であったり、ベース エミッタ間が双方向で、導通が無かったりすれば、壊れて います。


HFEを計る

トランジスタチェッカー

 HFE(直流電流増幅率)を計測し、増幅していれば、ほぼ、大丈夫です。
 コレクタ電流を一定の値にした時のベース電流を測定し、コレクタ電流(≒エミッタ電流)/ベース電流がHFEです。
 写真のようなツールを作っておけば便利です。
 コレクタ電流を設定しておいて、ベース電流を100uAのメーターで読み取ります。
 これはCQ出版の
 エレクトロニクス製作アイデア集1 センサー編
 の中に掲載されている「トランジスタ・チェッカー」を真似て作ったものです。
 回路図を知りたい人は、上記の書籍を参考にしてください。
 ただし、電源容量の関係で、コレクタ電流は20mA、2mAの2点のみに簡略化しました。
 また、低HFEのトランジスタを計測するとメーターが振り切れるので、メーター感度を1mAに変更出来るように してあります。
 例えば、コレクタ電流を20mA、メーター感度を1mAに設定したとき、200uA流れたとすると、HFEは100に なります。
 尚、コレクタ エミッタ間電圧は10V一定になっています。


漏れ電流を計る

漏れ電流の計測

 時間の余裕があれば、漏れ電流も計測してみてください。
 上図は二つの接合の漏れ電流の計測方法を模式化したものです。
 各々、接合に逆バイアス電圧を加えた時に流れる電流を計測します。
 良品ではuA以下の値です。(データシートに記述あり)
 極性を間違え、順バイアスになると短絡電流が流れてしまいますので、実際には電流を制限する直列抵抗等が必要です。

 各接合には逆方向の耐圧があり、この電圧を超えるとブレークダウンし、定電圧ダイオードになってしまいます。
 例えば、一般的なトランジスタのベース エミッタ間の逆耐圧は5Vですので、IEBOを測定するときの電源は5V程度 にします。
 ブレークダウン電圧は、もう少し大きく、7〜10V程度の定電圧ダイオードとなります。
 ICBOを測定する電源電圧は、もっと大きく、数十Vとなります。
 データシートでVCBOを調べ、、同程度の電圧で良いと思います。


トップページ  「電子回路」のトップ